■備えあれば憂いなし-今日の話題 大気と陸・海洋に関する観測・予測評価報告書とは? 文部科学省と気象庁が将来予測をとりまとめ、2020年に公表した報告書です。日本の気候変動2020 (jma.go.jp)、どのような報告がなされているか、目次から紹介してみましょう。「はじめに」「気候変動と大気・海洋の諸要素の変化」「1.温室効果ガスの大気中濃度は増加を続けている」「2.平均気温の上昇と共に極端な高温の頻度も増加している」「3.今後も平均気温の上昇と極端な高温の頻度の増加が予測される」「4.日本国内の大雨及び短時間強雨の発生頻度が増加している」「5.今後も雨の降り方が極端になる傾向が続くと予測される」「6.日本国内の積雪、大雪は減少傾向にある」「7.降雪・積雪は減少するが、大雪のリスクは残りうると予測される」「8.台風の発生数、日本への接近数、上陸数、強度に長期的な変化傾向は見られない」「9.日本の南海上で猛烈な台風の存在頻度が増すと予測される」「10.冬季は暖冬型の、夏季は日本付近で南西風を強めるような気圧配置に近づく傾向が近年見られる」「11.冬型及び夏型の気圧配置の特徴は、ともに現在より弱まると予測される」「12.日本近海の平均海面水温は、世界平均の2倍を超える割合で上昇している」「13.日本近海の平均海面水温は、今後も世界平均より大きな割合で上昇すると予測される」「14.日本沿岸の平均海面水位は、1980年以降、上昇傾向にある」「15.日本沿岸の平均海面水位は上昇すると予測される」「16.オホーツク海の海氷面積は減少している」「17.オホーツク海の海氷面積は今後も減少すると予測される」「18.日本の高潮の発生数と大きさに、長期的な変化傾向は見られない」「19.高潮のリスクは増大すると予測される」「20.黒潮の流量に長期変化傾向は見られない」「21.黒潮の流量や黒潮続流の南北位置(緯度)に有意な変化は生じないと予測される」「22.北西太平洋、日本沿岸域とも、世界平均と同程度で酸性化が進行している」「23.日本南方の北西太平洋では酸性化が進行すると予測される」このような構成となっています。また、コラムが4つ示され、「コラム1 都市気候」「コラム2 イベント・アトリビューション事例」「コラム3 さくらの開花とかえでの紅葉・黄葉日の変動」「コラム4 1.5℃の気温上昇」が見られます。本報告書作成の背景について、「はじめに」の中で丁寧に触れています。引用してみましょう。「気候変動対策は科学的知見に基づいて実施することとされており、 国の取組みとして、科学的知見の継続的な集積や信頼性の高い情報の分かりやすい形での提供等が挙げられている。こうした状況を踏まえ、文部科学省及び気象庁は、気候変動適応法に基づく国の責務として、気候変動に関する最新の科学的知見を総合的に取りまとめ、国や地方公共団体、事業者、あるいは国民が、気候変動緩和・適応策や気候変動影響評価の基盤情報(エビデンス)として使えるよう」としています。さまざまな影響や方向性をリアルに伝えており、気候変動をより現実的に捉えることができる報告書と言えます。 |
コラム:防災用語 「災害メカニズム図鑑」京都大学防災研究所が監修した、サブタイトル“いのちを守るために知る”と銘打っている最近発刊された単行本です。二見書房から出ています。紹介文を引用するなら「世界各地の異常気象、地震の頻発など、災害が身近に迫る中、防災や減災、避難のために災害が起こる仕組みを科学的に図説した一冊」です。書店でパッと目に入ったので、コラム欄で紹介しました。 |
★この日に起きた災害や事件、事故 38年1月豪雪(昭和38年)死者・行方不明者231、米国ノースリッジ地震(平成6年)M6.7死者57、阪神・淡路大震災(平成7年)M7.3死者・行方不明者6,437、負傷者43,792、住宅全壊104,906 |
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