■備えあれば憂いなし-今日の話題 群衆雪崩に巻き込まれないために! 身近で大きな群衆雪崩事故と言えば、ひとつめが関東大震災、ふたつめが兵庫県での明石花火大会歩道橋事故、みっつめが韓国でのソウル梨泰院雑踏事故でしょう。関東大震災での群衆雪崩については、すでに当コーナーで記していますので、今日はふたつめとみっつめについて紹介しておきます。「明石花火大会歩道橋事故」は、2001年7月21日に、その前日から行われていた「第32回明石市市民夏まつり花火大会」で2日目の21日午後8時半に発生しました。駅からの観覧を求める人々と、会場から駅方面に向かう人々とが歩道橋内に滞留し、1平方メートルあたり15人といった異常混雑によって、11名が死亡、183名が負傷しました。11名の死因は全身圧迫による圧死、9名は小学生以下、2名は70代女性でした。地震や大火といった災害による群衆雪崩ではなく、イベントに集まったことによる群衆雪崩の発生は、全国に大きな衝撃を与えました。「ソウル梨泰院雑踏事故」は、2022年10月29日に、ハロウィンで賑わう梨泰院の商店街の一角の道路で発生しました。梨泰院駅からホテルの西側を通り大通りに繋がる幅3.2メートル、長さ40メートル、傾斜10%の狭い坂道で発生し、結果的に死者158名、負傷者196名を出してしまいました。死者内訳は、女性102名、男性56名、20代が106名、外国籍26名。2週間後には、雑踏事故で友人2名を亡くした男子高校生が自死するという悲劇もあった。いずれの事故も警備に問題あったとか、警察行政が機能しなかったとかいろいろ言われて、後から法規制が強まったり、対策強化に至ったりしていますが、その時に命を失った人々が帰ってくるわけではありません。やはり、二度と群衆雪崩が起きるような状況は、作ってはいけないし、そのような状況に巻き込まれないようにしなければなりません。群衆雪崩に巻き込まれないための5つのポイントをお伝えしたいと思います。①あまりにも人が集中している所に近づかない。魅力ある催事や興行は、早く見たい、良い席でと思う気持ちになりますが、冷静に判断することを忘れないことです。事故が起きそうな程の混雑状況が予見されたら、行かない勇気も必要です。②群衆の中央に行かない中央から離れる。人と人がぴったりとくっつく状態は異常です。自分では統制できず、足が浮き上がることもあります。また中央は空気も淀んで酸素が薄くなりがちです。道路でも階段でも端にいることです。③押し寄せる方向に向かわず頑丈な建屋でジッとする。地震等の災害でも言えます。帰宅しない選択をすることも重要です。④坂道や階段、トンネル等を避ける。押されれば事故が起きやすい場所です。日中でもその渦中では暗さを感じ足元も見えなくなるようです。⑤常に逃げ場を気にしておく。店舗でも脇道でも、公園でも良いです。今ここで人々が集中したら、空いた方向はどこにあるだろうと気にしておくことです。これらのポイントは命を確保する要点です。 |
コラム:防災用語 「救急車利用マニュアル」総務省消防庁が、救急車を適正に利用いただくことを促すために作成したもので、日本語版だけでなく、英語・中国語・韓国語に翻訳された版も入手できます。「救急通報のポイント」「救急車が来たら、こんなことを伝えて下さい」「判断に迷ったときは、お近くの救急相談窓口に」「ためらわず救急車を呼んでほしい症状」「救急医療の受診について」「こうしたケースで救急車が呼ばれました~本当に必要か考えてみましょう~」「救急車の呼び方」等が書かれています。総務省-救急車利用マニュアル (soumu.go.jp)、またイラスト付きのわかりやすい資料も用意されています。救急車利用マニュアル A guide for ambulance services | 救急お役立ち ポータルサイト | 総務省消防庁 (fdma.go.jp) |
★この日に起きた災害や事件、事故 なし |
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