10月28日 朝礼話材

■備えあれば憂いなし-今日の話題
是正処置とは、ただ処置することではない!  よく、テレビ等で企業や行政が起こした過ちに対して、是正処置が図られました!というニュースが報道されることがあります。よくよく聞いてみると、ただ単に処置されたに過ぎない場合がほとんどです。例えば期限が守られなかったという過ちでは、当事者から期限を守るとの是正が図られた!と。これでは、発生した火を消すに過ぎません。一般的に、是正処置は「是正措置」とも言われ、その意味は「誤りを正す処置、改善するように取り計らうこと、是正を促す措置、業務改善命令」等と言われます。この意味からすれば、確かに過ちが治れば良いこととなります。しかし、品質管理の観点から言うと、これは適切ではありません。是正処置とは「一度発生した過ちが二度と起こらないよう再発を防止する処置」です。この本来の意味をきちんと理解している人は、多くないように感じます。ISOマネジメントシステムでは、我が国で育った品質管理の知恵が多く踏襲され、是正処置という用語の定義は、再発防止処置を指すとしています。もう少し言うと、起きてしまった過ちに対して、取り急ぎ過ちを正す行為を「修正処置」、原因を突き止めて原因をつぶす処置を「是正処置」、そして当事者だけでなく、同様のことが広く発生しないようにとる処置を「予防処置」と呼んでいます。現在のISO規格では「予防処置」という用語は見えなくなりましたが「リスクへの対応」という要求事項として残されています。古くからの日本の管理用語では、「修正処置」を「応急処置(応急措置)」、「是正処置」を「恒久処置(恒久措置)」、「予防処置」を「水平展開(横展開)措置」等と呼んできました。例えば、火災が発生したとすれば、火を消すだけでは「修正処置」、原因を突き止めた結果、寝たばこであったとすれば、「是正処置」は、家では禁煙とする、「予防処置」は、このニュース(火災が発生した家では今後禁煙処置が図られた)を知って、わが家でも禁煙とする、とこのような一連の処置をもって再発防止を図るというものです。過ちに対して、原因を探る、深堀する、そしてその原因を取り去る、それも単なるヒューマンエラーとして自覚を促すだけではなく、仕組みやプロセスを抜本的に正すことが重要です。踏切事故が発生したなら、遮断機を付ける、それでも発生するなら通行を禁止する、それが無理なら立体交差とする、といった発生により引き起こされる影響に釣り合う対策の更新が必要です。
コラム:防災用語 「双発地震」双子地震とも連動型地震とも言われます。同じ規模の地震が時間的に接近して連続的に、ほぼ同じ地域で発生する地震です。はじめの地震で地殻にひずみが生じて、2つ目の地震が誘発されると言われています。ほぼ同じ地域とは、地球規模で考えれば、日本列島はひとつの塊のようなもので、例えば東海地域等で発生した地震に誘発されて、南海地域の地震に繋がるといった連続性ある地震です。昨今いずれかの場所による半割れからの誘発地震が懸念されています。
★この日に起きた災害や事件、事故
宝永地震(宝永4年)M8.4、死者約4,900、家屋倒壊29,000、濃尾地震(明治24年)M8.0、死者7,273、家屋全壊142,177

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