■備えあれば憂いなし-今日の話題 被災してから行動を起こすより被災前に行動を起こそう! 何でもそうですが、何か事件や事故が発生し多大な命が失われてから、法律の見直しや対策強化が図られます。行政活動としては致し方ないとは思います。しかし、個人や民間事業者は、そうはいっていられません。こと自然災害に対しては、事前に手を打ってなんぼではないかと思っています。もちろん予防的な対策は限度があり、受けるであろう被害の影響の程度に見合った程度で行うことに異論はありません。ただ、“受けるであろう被害の影響の程度”を十分に把握しているのでしょうか。考えられるだけの想定をし、被災の程度を分析しなければ、釣り合う対策とならないのではないでしょうか。一般に、被災してから要すコストよりも、被災前に手当てするコストの方が低いと言われていますが、相対的に対策が十分かどうかは、コスト判断できないと思います。もしかしたら被災の程度は低かったのに必要以上の対策を打ち、コストをかけすぎたとなるかも知れません。あくまでも結果でわかることで、結果で論じることではないとも言えます。さて、被災前にどのような行動を起こせばよいか、ですが、企業でこれから進めたい防災対策のイロハは、過去に本コーナーで記していますので、今日は、むしろ、“受けるであろう被害の影響の程度”を探るための、災害想定の仕方に触れたいと思います。そして、災害想定をしっかり行い、被災の程度をイメージしていただく行動をする出発点にしていただけたらと思います。①どのような災害に襲われる可能性があるか:巨大地震や津波だけではありません。台風だけでもありません。各地ともに前線の長期停滞、線状降水帯の発生、火山の噴火、雷、竜巻、高潮等さまざまです。ここは大丈夫というところはありません。また、それらによって引き起こされる現象は、倒壊、外水・内水氾濫による浸水、火災・火災旋風、降灰、停電、断水等です。被害の程度は、震度、風の強さ、向き、雨量、継続時間、季節、時間帯、まわりの状況、被災人数等々のそれぞれ何通りもの想定によって結果は変わります。もっとも発生しやすく被災規模が大きくなるであろう想定を特定して、被災程度を探る。そこからいろいろな対策が考えられるようになるでしょう。 |
コラム:防災用語 「フェーン現象」小学校の理科等で習った用語かと思います。フェーン現象とは、湿った空気が山肌を駆け上り、反対側に吹き下りる際に乾燥化し、高温化する状況をフェーンと言い、風下域一帯が高温化する現象を言います。山から吹き下りた暑い風は、時に枯れ葉を発火させ、山火事に至ることもあります。 |
★この日に起きた災害や事件、事故 掛川つま恋ガス爆発火災(昭和58年)死者14、負傷者27 |
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