■備えあれば憂いなし-今日の話題 災害時集合場所が危険な場所になっていませんか? みなさまの会社では、大規模災害が就業中に襲った場合、避難場所や集合場所が決まっていますか?それは、さまざまな想定がなされた上で決定されているでしょうか。また、避難場所や集合場所は、複数用意されて周知されているでしょうか。また、それらの避難場所や集合場所は危険が迫るような場所ではないですか?今日は、ひとつひとつの懸念を整理してみましょう。①まず、避難場所や集合場所が決まっているかという問題です。地域それぞれにさまざまな災害を想定したハザードマップが市区町村等から発行されています。地震と冠水では、避難も集合も異なるはずです。昨今、災害によっては、横方向の移動は危険であり、上方向の移動が推奨されることがあります。また、多くの自治体が、ハザードマップを作成する際に、アンダーパスや内水氾濫を考慮していないということもわかっています。適切な避難場所や集合場所を検討し、あらかじめ決定し、周知しておくことが重要です。②避難場所や集合場所を決めている場合、さまざまな災害想定のもとで決定しているでしょうか。ここが広いからとか、すでに過去に決めてある場所だからとかではないでしょうか。地震や津波、冠水、風向き、近隣の危険源等によっては、すでにその場所は危険かも知れません。③避難場所や集合場所は複数用意して周知されているでしょうか。1か所だけでは、さまざまな災害の発生状況によっては、すぐに危険が迫ります。必ずしも従業員全員が、ひとつの場所に限ることは有効ではありません。④決められている場所が複数であったとしても、その場所の危険度は考慮しているでしょうか。倒壊、看板やガラスの落下、地割れ等の他に、昨今注意が必要と叫ばれているのが、群衆雪崩です。多くの人々が1か所に集中することで、容易に発生する危険があります。150人以上が亡くなった韓国梨泰院での群衆雪崩は、耳に新しいですが、古くは関東大震災でも、陸軍被覆廠跡を中心に、火災から逃れようとした多くの住民が、道路や川岸に押し寄せ、群衆雪崩が発生し、圧死や川へ落ちての溺死が多数となりました。高層ビルで1階に集合してそれから点呼して避難所へというような手順の場合、ビル内のすべての従業員が押し寄せたらどうなるか、容易に想像できます。避難訓練では、各会社から数人ずつだから危険は感じられません。そろそろ、自らの会社の自らの職場を中心において、さまざまな想定のもとで、どこに避難、集合するのが良いのか、再検討してみてはいかがでしょうか。もっとも、いちばんおススメは、各自が知見を高め、それぞれに命を確保する手段を考え、“てんでんこ”で難を逃れる知恵をつけ、さまざまな情報の中から適切であろう避難をすることです。 |
コラム:防災用語 「津波避難広報ドローン」仙台市が、令和4年から運用開始した、スピーカー機能を搭載したドローンで、その目的は、東日本大震災時に避難を呼びかけた市の職員や消防団員に多くの犠牲者が出たことから、人に代わってドローンにより、避難を上空から直接的に呼びかけようと取り入れられました。ドローンによって避難を呼びかける手法は世界初の事例といわれ、災害時の活用、人命をひとりでも多く救うための活躍が期待されます。 |
★この日に起きた災害や事件、事故 なし |
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