■備えあれば憂いなし-今日の話題 マネジメントシステムでの観察事例紹介!① 2月に入りました。今日と明日、そして来週月曜日の3日間は、ISOマネジメントシステムでの審査で、実際に私が組織に向けてコメントした内容を記したいと思います。ここでは、あくまでもコメントした内容だけ、そのまま記しますが、その背景や、どうすれば良いかといった方法論については、字数の関係で省略しますので、詳細は小生著「企業防災とマネジメントシステム」を参照いただけましたら幸いです。企業防災とマネジメントシステム|同友館オンライン (doyukan.co.jp)、組織に向けたコメントを以下に記しますが、最初の1項目は「不適合」として指摘し再発防止策をとっていただいた事例です。『規格は、「環境マネジメントシステムの適用範囲の中で、(略)、潜在的な緊急事態を決定しなければならない」としています。組織がマネジメントシステムの上位文書として策定した環境マニュアルでは、規格要求事項の文言はそのまま引用されていますが、何が組織にとっての緊急事態なのか、その特定がなく不明確となっています。また環境側面抽出や環境影響評価表、著しい環境側面一覧においても、緊急事態は明示されていません。』次からは「観察事項~改善の機会」として改善を期待した事例です。❶『組織は、食中毒を想定した訓練や、アレルギーを持っているお客様に普通食を提供した場合の対応訓練等が行われていますが、取り組んでいる環境マネジメントシステムにおいて、緊急事態とは扱わずその活動は引用されていません。自然環境に影響しないためとしていますが、いざ発生すれば、環境に負荷を与えることに繋がると思われます。環境マネジメントシステムとしても、事業プロセスとの統合を考慮し、そのような事業上発生する可能性がある緊急事態はマネジメントシステムの緊急事態として幅広く結びつけ、繋げることが期待されます。』❷『組織は、緊急事態として“震度6以上の地震”を特定して、「緊急時装置停止手順」「劇毒物管理手順」「避難手順」「防災備蓄品管理手順」等を作成しているとともに、万一の場合の“安全データシート”も整理され閲覧できるよう管理されています。しかし、手順書は総務の書庫にしまわれていたり、安全データシートは停電時に見ることができないパソコン管理であったりと、真の緊急時に発生した現場ですぐに閲覧したり活用したりが出来ない状況となっています。』❸『本工場では、緊急事態として「油の流出」をそのひとつとして特定し、流出した場合の対応備品として、吸着マット、土嚢、手袋、手順フロー等を準備し、保管していますが、保管場所はその設備から離れた、別棟倉庫となっており、それも一番近い入り口は鍵がかかった状態でした。緊急時に使用する備品は、すぐに使える状態にあることが期待されます。』❹『大地震時の帰宅困難要員向けに、乾パンや飲料水が備蓄されていますが、備品庫の一部を使用していることから、今日確認した時点で、いちばん奥に追いやられ手前に機材や交換備品が積まれてしまっていて、すぐに取り出せない状況となっていました。』❺『組織は、火災発生に備えて「緊急時連絡網」を作成し、事務所内や工場壁面に貼り出していますが、すでに内容は古くなっていて、以前の部門や以前の携帯電話番号となっています。常に最新の情報で更新しておかない限り、いざという時に活用できないと言えます。』 |
コラム:防災用語 「国土強靭化」内閣官房のホームページで用語の説明がされています。「地震や津波、台風などの自然災害に強い国づくり・地域づくりを行い、大災害が発生しても人命保護・被害の最小化・経済社会の維持・迅速な復旧復興ができるよう目指す取組のこと」とし「対象範囲は幅広く、行政だけでなく企業・地域・個人での取組や、ハード面だけでなくソフト面の取組も国土強靭化に含まれます」としています。 |
★この日に起きた災害や事件、事故 熊本アサリ産地偽装報道(令和4年) |
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