■備えあれば憂いなし-今日の話題 過去の旅客船沈没を振り返ろう! 旅客船は、移動手段としてだけでなく、日常と異なる違った風景や、海上からさまざまな生き物が見られたり、水平線から上る朝日、沈む夕日が見られたりする等、人々を魅惑する乗り物です。小さな観光船もあれば、陸地を結ぶフェリー船、ちょっとお高い豪華客船から、割と安価なカジュアル大型クルーズ船まで、多種多様です。そんな乗り物ですが、これまでに多くの旅客船で事故が発生しているのも事実です。いざ乗船してしまうと、どうすることもできませんが、少なくとも中・小型船舶に乗船する時は、海上の大荒れ等危険が感じられる時は、船舶会社や船主の運行判断に関わらず、乗船を見合わせるといった対応が必要かも知れません。気象情報を気にするくせや、例え乗船しても、避難訓練にしっかり臨む、救命胴衣の使い方をビデオや冊子で確認しておくといったことは、必須としたいものです。今日は、過去の旅客船事故を振り返るとともに、最後に旅行傷害保険について、記してみたいと思います。[過去の旅客船事故] 誰しも知っている大型旅客船沈没事故としては、1912年にイギリスからアメリカに向かって処女航海中であった「タイタニック号」の氷山衝突沈没事故だと思います。映画にもなったこの事故は、1,514名が亡くなるという当時最大規模の海難事故でした。漁船や釣り船の事故はたびたび耳にしますが、旅客船の事故はそうそう無いのではないかと調べてみたところ、意外にも結構多くの事故が起きていることがわかりました。10件ほどピックアップしてみましたが、容易に検索できたのには驚きました。①知床遊覧船沈没事故:最近の事故で、あまりにも粗雑な運航管理で悲惨な事故でした。知床半島の突端、知床岬を訪ねる世界遺産を海上から眺められる魅力ある観光船でしたが、2022年4月23日、強風波浪注意報が発表されている中、運航中止すべき状況に近く他の観光船が運航取りやめている中、発航し、船首から入った波水によって浸水が進み沈没、死者20名行方不明者6名となりました。②韓国セウォル号沈没事故:韓国仁川港から済州島に向かった大型旅客船「セウォル号」の事故です。テレビでも再現映像が作成され報道されたことで、知っている人も多いでしょう。2014年4月に発生、修学旅行として乗船した高等学校生や教員に多くの犠牲者が出ました。死者299名、行方不明者5名を出しています。多くの車両や貨物による過積載、バラスト水の不足等が原因とされています。③コスタ・コンコルディア座礁事故:2012年1月に、イタリアローマの北西沖合で発生した事故で、浅瀬に座礁したことによって浸水、70度傾いた状況でほぼ沈没、死者32名出ています。陸地に近づきすぎたことが原因のようです。④スパイス・アイランダーⅠ沈没事故:インド洋で2011年9月に発生、こちらも過積載が原因とされています。死者は1,500名と報告されています。⑤客船Bulgaria沈没事故:ロシア中部のボルガ川で2011年7月に発生、122名が死亡しています。⑥プリンセス・オブ・ザ・スターズ沈没事故:2004年まで新日本海フェリーが運航していたフェリーらいらっく。海外へ転売されフィリピンで就航。2008年に台風接近に伴う荒天によって沈没しています。死者・行方不明者は773名と言われています。⑦エクスプレス・サミナ衝突沈没事故:2000年9月にエーゲ海沖合で荒天の中、小島に衝突し沈没。81名が死亡しています。⑧プリンセス・オブ・ザ・オリエント沈没事故:1998年、フィリピンマニラ港を出港後1時間足らずで台風による強風で傾斜、その後横転沈没、死者・行方不明者267名。原因は荷崩れと言われています。⑨フェリーエストニア転覆沈没事故:1994年バルト海で沈没。死者852名に上っています。⑩西海フェリー沈没事故:1993年10月、韓国西部の黄海で発生した転覆沈没事故。死者・行方不明者292名。荒天下、船長の乱雑な操船が原因と言われています。最後に、クルーズ船に関わる旅行傷害保険について触れておきます。クルーズに乗船し旅行をしようとする場合、事故時等に対して補償される一般的な旅行傷害保険があります。ケガや死亡に対する補償だけでなく、例えば行きかえりの航空機や電車遅延によって、乗船できなかった場合の補償や、手荷物紛失といった際の補償が付いています。また保険の種類によっては、特約によってクルーズキャンセル補償が付与できるものもあります。クルーズによる旅行は、割と高額であること、キャンセル料が2か月以上前から発生するといった特殊な形態の旅行となることから、キャンセル補償を含めた旅行傷害保険への加入は必須と言えます。 |
コラム:防災用語 「臨界」国立研究開発法人日本原子力研究開発機構のホームページによれば、「核分裂の連鎖的な反応が一定の割合で続いている状態のこと」です。「核燃料が核分裂すると、複数の新しい中性子が飛び出し、その中性子が次の核分裂を起こします。」とし、この現象が連続して起きる様を連鎖反応と言って、自発的に持続し続ける状況を言うようです。 |
★この日に起きた災害や事件、事故 東京府中火薬工場爆発火災(昭和28年)死者21 |
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