5月1日 朝礼話材

■備えあれば憂いなし-今日の話題
巨大災害発生時、公助(行政機能)は期待できない!? 消防庁のまとめでは、2022年は救急出動件数が全国で700万件を超え、過去最多を記録したという報道がありました。その多くは2020年初頭から始まった新型コロナウイルス感染症猛威が影響していると言われています。その裏には、相当数の救急搬送困難事案があったとも報道され、病院に搬送されないままに息を引き取ったという痛ましい事案もありました。コロナ禍は全国的な蔓延により、かつ受け入れ先の病院も限られたことから、地震や台風などとは一概に一緒には語れませんが、甚大な自然災害がひとたび発生すると、必ずしも救命救急機能が働くとは限らないことを認識しなければなりません。それは消防機能、役所機能も同様です。なぜなら、そのような行政機能さえ被災し、活動できなくなる恐れがあるからです。実際に、東日本大震災や熊本地震では、多くの役所や消防署が倒壊または津波で壊滅しました。また場所によっては、その機能を大きく離れた別の地域に移転せざるを得ないということも多く見られました。阪神・淡路大震災では、倒壊による道路不通により、消防活動そのものがままならないまま火が収まるのを待つといった状況もありました。防災士の研修プログラムの中に、机上(図上)訓練があります。ある地域の白地図を机に広げ、どこにどのような施設があるかを確認し合った上で、災害の内容、規模、状況などを想定、どこがどうなるか被災過程を想像しながら、どうそれぞれが行動したら良いかを考え合う訓練です。私も行ったのですが、役所や消防署、病院といった災害時に機能維持が望まれる施設が被災して、その機能を失う恐れが充分あることに気づかされたものです。110番をしても119番をしても繋がらない、役所も動かない、という状況を想像すると、いかに自助が大事か、ひとりひとりが助けてもらう側でなく、助ける側になっていかなければならないことを、強く思い知らされました。机上(図上)訓練については、また別の機会に記したいと思いますが、いざという時に行政機関に必ずしも頼れない状況になり得ることを、認識してほしいと思います。
コラム:防災用語 「液状化」液状化という言葉は、阪神・淡路大震災時の海岸沿い道路で水が噴き出し、泥で覆われた映像や、東日本大震災時の千葉県浦安市で、住宅が傾いたりマンホールが浮き上がったりした映像で頭に残っている人が多いでしょう。液状化現象は、砂を多く含んだ地盤が振動することで、比重が大きい構造物が沈み込み、比重が小さい構造物が浮き上がる現象です。水分を含んだ砂をバケツに入れ、大小いろいろなモノを載せて揺すると、そのさまが確認できます。地盤が割れた箇所から水が噴出することもあります。
★この日に起きた災害や事件、事故
男鹿地震(昭和14年)M6.8死者27、家屋全壊585

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