■備えあれば憂いなし-今日の話題 トイレ我慢が関連死に繋がる! 以前、災害関連死や、日本トイレ研究所について述べましたが、今日はそれに関連した話題を提供したいと思います。トイレの我慢が関連死に繋がることを知っていますか?大規模な災害によって断水や停電が発生すると、容易には復旧しません。よって企業にしろ、家庭にしろ、水洗トイレは使用できなくなります。被災直後にトイレを使ってしまったがためにすぐに詰まってしまって、汚物による汚れとその臭気で、簡易トイレとしての活用もできずに、たちまちトイレは不衛生空間と化し使用不可能となります。排泄欲求は時間の問題で、誰しも数時間で襲ってくる欲求です。そこでなるべくトイレに行かずに済むようにと、水分摂取を控えるようになります。ご存じの通り、人の体のほとんどは水分で維持されていますから、水分を控えれば体中を巡る血液はドロドロとなり、脳梗塞や心筋梗塞の発症リスクが高まります。災害関連死の約3割が、これら血管障害によるものと言われています。また脱水症状による意識の低下や、動かない避難生活による血栓からの発症も起きやすくなります。内閣府から平成28(2016)年に「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」が発行されています。同ガイドラインには、東日本大震災で起きたトイレに関わる問題点を振り返り、トイレの確保・管理の基本的考えを示した上で、トイレの確保に向けた具体的な取り組みに触れ、平時からすべきトイレ確保・管理チェックリストが掲載されています。今や企業においては、就業中に大災害に見舞われたなら、すぐに帰宅させずに社内(工場内)避難が求められるようになっていますが、このガイドラインは、避難所のみならず、社内におけるトイレの確保・管理ガイドラインと読み替えて活用することができます。この機会に、今一度トイレの在り方について考えてみることをお勧めいたします。 |
コラム:防災用語 「火災旋風」火災旋風とは、地震や人為的な大火によって、あるいは山火事などで火災が広域に広がり、または複数個所で火の手が上がった際に、炎どうしが集まり渦を巻いて立ち上る現象をいいます。熱せられた空気が上昇気流を生じさせ、炎が天空に引っ張られることで、炎の竜巻とも言えるでしょう。火災旋風の中心温度は、1000℃を超えるとも言われ、大気によって移動すれば甚大な被害に発展することは容易に想像できます。関東大震災では本所被覆廠跡に避難し集まった人々を襲って、多くの犠牲者が出ました。 |
★この日に起きた災害や事件、事故 中国四川大地震(平成20年)死者・行方不明者87000、負傷者37万 |
コメント