7月12日 朝礼話材

■備えあれば憂いなし-今日の話題
素人でもできるトリアージ  トリアージとは、優先順位を決めることですが、とりわけ災害などによって多くの傷病者が発生した場合に、その傷病の程度、つまり緊急性や重篤度によって、どの傷病者を優先すべきか、または後にしてよいかを瞬時に判断する行為を言います。災害時に多くの傷病者が発生すると、駆け付ける医療従事者も少なく、持ち寄る医薬品や医療機器も非常に限られることから、トリアージが必要となります。トリアージは、4段階に分かれています。実際の災害や、テレビドラマなどでそのシーンを見ることもあると思いますが、トリアージ札(タッグ)によってそれぞれの傷病者の識別をしていきます。下部に切り取り線が入った4つの色で識別された札(タッグ)を使用し、一番下から、「黒色」第4順位-死亡群-既に死亡している、または明らかに即死状態、心肺蘇生しても蘇生の可能性がない、「緑色」第3順位-保留(軽傷)群-ほとんど専門医の治療を要しない、「黄色」第2順位-待機(中等症)群-多少治療が遅れても、命の危険がない、血圧等が安定している、そして「赤色」第1順位-最優先(重症)群-救命のため直ちに治療を必要とする、窒息状態、多量出血、ショックなど危険が迫っている、となっています。基本的には、このトリアージは医療従事者が行い、そうではない人がトリアージすることはできません。ただし、ひとつの区分けについてだけ、一般人ができることがあります。災害で多くの傷病者が出ている状況を目の当たりにした場合、「歩ける人は、安全なこちらに移動して集まりましょう」といった声かけによって、軽微なケガや多少の体調不良程度の人だけを、安全な場所に移らせるという区分けです。このような声掛けで容易に動ける人は、第3順位にあたる「緑色」の群と言えます。その人々だけをまず区分けするだけでも、安全の確保、第3順位以外のトリアージに早期に取り掛かれることに繋がります。心肺停止の人に、心肺蘇生処置を施すことも、一般人に許容されている行為で、医療従事者が駆け付けるまでの間、可能な限り救命することも求められますが、第3順位に当たる人々の区分けも、出来うることを知っておきたいものです。
コラム:防災用語 「ACジャパン」ACジャパンは「公益社団法人ACジャパン」といい、1971年に114の法人が「民間の力で、少しでも世の中のお役になる活動がしたい」として設立された団体です。今では1000社を超える会員社によって運営されているようです。公共マナーや環境問題、親子のコミュニケーションなどをテーマとしたCMづくりを通じて社会に提言を行っています。東日本大震災時、すべての企業広告が休止した中で、唯一「♪エーシー」と流れたコマーシャルは、皆、耳に残っていることでしょう。
★この日に起きた災害や事件、事故
三宅島山腹・山頂噴火(昭和15年)死者11、負傷者20、家屋損失62、山陰・北陸豪雨(昭和39年)死者・行方不明者128、家屋全壊・流失747、北海道西南沖地震(平成5年)M7.8、死者202、行方不明者28、新潟・福島豪雨(平成16年)死者16、負傷者4、家屋全壊70
[関東大震災100年イベントのお知らせ]  今年2023年は、未曽有の死傷者を出した関東大震災から、ちょうど100年に当たることから、さまざまな催事が計画されています。そのひとつを紹介しましょう。8月10日まで参加者を募っていますので、この機会に話を聞いてみませんか。その催事は、国土交通省関東地方整備局主催による「関東大震災100年シンポジウム」と銘打ったものです。副題は「関東大震災を見て、感じて、未来への備えにつなげる」です。開催日時は2023年8月28日(月)14:00~17:30で、会場は、東京ビッグサイト国際会議場です。内容は、基調講演1として、名古屋大学特任教授の武村雅之氏による「関東大震災がつくった東京:100年後の変容と首都直下地震」、基調講演2として、関西大学特別任命教授の河田惠昭氏による「失敗しない首都直下地震対策に向かって」の他、「関東大震災から学ぶ、今後の都市・インフラ整備」と題したパネルディスカッションが予定されています。また、同時開催展として、東京ビッグサイトの脇にある、国営東京臨海広域防災公園(そなエリア)」で、「関東大震災特別企画展」が、8月26日(土)~28日(月)の9:30~16:30開催され、大人から子供まで楽しめるコンテンツが用意されているようです。関東大震災100年シンポジウムの参加申込アドレスは、https://www.unei-jimukyoku.jp/kantoushinsai100/symposium.phpとなっています。

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