■備えあれば憂いなし-今日の話題 素人でもできるトリアージ トリアージとは、優先順位を決めることですが、とりわけ災害などによって多くの傷病者が発生した場合に、その傷病の程度、つまり緊急性や重篤度によって、どの傷病者を優先すべきか、または後にしてよいかを瞬時に判断する行為を言います。災害時に多くの傷病者が発生すると、駆け付ける医療従事者も少なく、持ち寄る医薬品や医療機器も非常に限られることから、トリアージが必要となります。トリアージは、4段階に分かれています。実際の災害や、テレビドラマなどでそのシーンを見ることもあると思いますが、トリアージ札(タッグ)によってそれぞれの傷病者の識別をしていきます。下部に切り取り線が入った4つの色で識別された札(タッグ)を使用し、一番下から、「黒色」第4順位-死亡群-既に死亡している、または明らかに即死状態、心肺蘇生しても蘇生の可能性がない、「緑色」第3順位-保留(軽傷)群-ほとんど専門医の治療を要しない、「黄色」第2順位-待機(中等症)群-多少治療が遅れても、命の危険がない、血圧等が安定している、そして「赤色」第1順位-最優先(重症)群-救命のため直ちに治療を必要とする、窒息状態、多量出血、ショックなど危険が迫っている、となっています。基本的には、このトリアージは医療従事者が行い、そうではない人がトリアージすることはできません。ただし、ひとつの区分けについてだけ、一般人ができることがあります。災害で多くの傷病者が出ている状況を目の当たりにした場合、「歩ける人は、安全なこちらに移動して集まりましょう」といった声かけによって、軽微なケガや多少の体調不良程度の人だけを、安全な場所に移らせるという区分けです。このような声掛けで容易に動ける人は、第3順位にあたる「緑色」の群と言えます。その人々だけをまず区分けするだけでも、安全の確保、第3順位以外のトリアージに早期に取り掛かれることに繋がります。心肺停止の人に、心肺蘇生処置を施すことも、一般人に許容されている行為で、医療従事者が駆け付けるまでの間、可能な限り救命することも求められますが、第3順位に当たる人々の区分けも、出来うることを知っておきたいものです。 |
コラム:防災用語 「ACジャパン」ACジャパンは「公益社団法人ACジャパン」といい、1971年に114の法人が「民間の力で、少しでも世の中のお役になる活動がしたい」として設立された団体です。今では1000社を超える会員社によって運営されているようです。公共マナーや環境問題、親子のコミュニケーションなどをテーマとしたCMづくりを通じて社会に提言を行っています。東日本大震災時、すべての企業広告が休止した中で、唯一「♪エーシー」と流れたコマーシャルは、皆、耳に残っていることでしょう。 |
★この日に起きた災害や事件、事故 三宅島山腹・山頂噴火(昭和15年)死者11、負傷者20、家屋損失62、山陰・北陸豪雨(昭和39年)死者・行方不明者128、家屋全壊・流失747、北海道西南沖地震(平成5年)M7.8、死者202、行方不明者28、新潟・福島豪雨(平成16年)死者16、負傷者4、家屋全壊70 |
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