■備えあれば憂いなし-今日の話題 災害の程度、被災の程度の想像力を育てよう! 防災・減災に向けた取り組みは、どのような災害が発生し、その時どのような状況にあり、どのような被害が発生しうるかを、いかに想像するかに尽きるといって過言ではありません。もちろん国による災害対策は、気象庁など関連する専門機関によるさまざまなデータ解析に基づいたものですが、企業が行う防災・減災対策は、必ずしもデータに基づいたものではなく、このような状況下でこのような災害が起きたら、どういう被害がでるかといった想像力に基づいたものが求められます。想像力は想定力とも言えましょう。その想像力、想定力こそが、具体的かつ詳細な対策へとなっていくのです。そして、現実的かつ起こり得る最悪の事態を想像、想定してほしいものです。最悪を考えたら、不要な対策まですることにならないか危惧すると思いますが、対策を立案する段階では、一通りの事態発生を前提としたほうが、充分な洗い出しができるものです。そのうえで、ここまでは対策する、これ以上の対策は時期尚早、と判断すればよいのです。火災であれば、どこからいつ何時に発火し、どのように燃え広がり、その時、作業者は何人いて、風向きはどうで、といった想定と、夜中真っ暗な状況で、停電が同時発生し、初期消火はできず、といった最悪の状況を描くのです。地震であれば、多くの従業員が社員食堂で昼食中、近県海上でマグニチュード7が発生し、震度6強の揺れが襲い、食堂と工場棟から火災が同時発生、研究室棟で冷蔵庫の下敷きになった従業員が発生、といった状況を描くのです。多くの企業が、防災訓練といえば、初期消火として消火ホースの延伸や消火器の使用法、避難誘導して指定した集合場所に行かせる、救護担当は担架を持ち出すというような訓練が行われていますが、現実的には、大規模な災害が発生したなら、初期消火は出来ようもなく、指揮系統もままならず、各自それぞれ逃げ惑うようになり得ます。各自が自分事としていかに安全確保、命を守る行動するかにかかってきます。そのような知恵をひとりひとりに学ばせる訓練が期待されます。 |
コラム:防災用語 「緊急安全確保」緊急安全確保とは、最近になって言われ始めた用語です。昔は言われなかった用語です。生命や財産に被害が発生する恐れが切迫している際に、またはすでに被害が発生している際に、対象地域住民に対して発せられる“直ちに自らの命を守る最善の行動をとる”ことを呼びかける情報です。水害や土砂災害、高潮の危険が差し迫っている、または被害が発生しているレベル5の高さをこのように言います。このレベル5の前の段階までに避難行動することが求められ、レベル5となったなら、無理に動かず、その場所の中でベストな場所(例えば2階以上の崖や山とは反対側の部屋など)で命を確保することを求めるものです。 |
★この日に起きた災害や事件、事故 伊豆大島東方沖海底火山噴火(平成元年) |
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