■備えあれば憂いなし-今日の話題 シリーズ連載:企業は防災のため順番に何をすればよいか⑤ 地域ごとハザードマップを使った図上訓練の準備をし、実施する! 防災・減災に向けた訓練は、すぐに避難誘導を主としたある規定した場所への集合型訓練をイメージしがちですが、必ずしも体を動かすものだけが訓練ではありません。何人かで机を取り囲み、想定した状況下における被災状況を自分事として想像し、どうすれば安全を確保できるか、それぞれに対策を考えるという作業もまた重要な訓練のひとつです。まずは、自らの地域のハザードマップを用意し、それを机に広げて、テープ等で固定、さらにその上に薄手の透明ビニールシートを重ねて広げ、ハザードマップを見ながら、想像し合うといった図上訓練を是非、試みてほしいものです。ハザードマップに代えて、自社の敷地図や工場平面図を広げて、同じように考えてみる訓練も有効でしょう。詳しくは、ホームページ検索画面で「図上訓練」と検索してみると、さまざまな手法、実施方法、用意するものなどの情報が得られます。防災は、想像力そのものともいわれます。いかに想像力を働かせることで、状況判断が身についてくるものです。公助・共助・自助のうち、自助の重要さ、各自が各自のことを考える必要性がわかってくるものと思われます。 避難経路を実際に歩き、危険個所やかかる時間等のチェックをする! 図上訓練等によって、避難経路のいくつかを検討したなら、実際に歩いてみることをお勧めします。安全とされる避難場所までの経路を歩き、目的地まで大人の健常者でどのくらいかかるか、年寄りや車いすではどうか、途中に崩れそうな建造物や危険個所がないか、車等の通行量はどうか、確認しながら歩くことです。大阪北部地震の際に、京都で学校のブロック塀が倒壊し、横を通っていた小学生が亡くなったニュースは記憶に新しいと思います。一列型のブロック塀は倒壊しやすく、その防止として、ブロック塀はL字またはコの字とすることが推奨されています。市区町村によっては、一列ブロック塀の改修に補助金を用意している場合があります。避難経路付近に、市区町村と災害時協定を結んでいる施設があれば、その場所も見ておきましょう。避難場所より安全であったり、帰宅困難者支援施設として災害時に水道水などを提供してくれたりする施設も付近にあるかも知れません。歩くことでわかることが多いことに気づかされるはずです。 |
コラム:防災用語 「ローリングストック」この用語は、昨今よく話題にあがることから、耳にしている人も多いでしょう。災害食はもとより、普段から食べ慣れている加工食品や飲料水、菓子類を多少多めにストックしておいて、普段の食生活の中で順番に使い、使った分をまた買い足して、定数を保って、いざという時の飲食料とするという考え方です。いざという時だけに備蓄した飲食料品ばかりだと、いつの間にか期限が切れたり、食べ方がわからず、味も初めてとなって、日常の飲食とかけ離れすぎたりしてしまうことから、日常生活で飲食しながら備蓄するという考えであるこのストック法が叫ばれています。 |
★この日に起きた災害や事件、事故 長崎豪雨災害(昭和57年)死者・行方不明者299、潜水艦なだしお・釣り船第一富士丸衝突沈没事故(横須賀沖・昭和63年)死者30、ネパール洪水(平成5年)死者・行方不明者1,800 |
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