■備えあれば憂いなし-今日の話題 シリーズ連載:企業は防災のため順番に何をすればよいか⑥ リアルな複合災害を想定し、その想定のもとで緊急対応訓練を実施する! いよいよ体を使って実際に動いてみる訓練をしましょう。ひとたび災害が発生すると、単体の災害に留まらない複合的な災害に発展することは容易に考えられます。大地震が発生すれば、建物の倒壊だけでなく、火災、津波、液状化現象等の発生、強いては爆発事故等へと発展する可能性もあり得ます。これまでの地震でも必ずいくつかの同時災害により複合被害が発生しました。よって訓練においては、想定の段階で、よりリアルに複合災害を考えたいものです。リアルな複合想定としては、例え訓練そのものをいつ行うのかを問わず、①どの季節、月で、②何曜日の、何時頃で、③当日の出勤体制はどうで、④その場の来客状況はどうで、⑤震源地はどこで、震度いくつで、⑥複合的に何が起きて、⑦風向きはどうで・・・といった具合です。想定によって動きはまったく異なるものと思われます。むしろ異なっていかないと現実的ではありません。夏と冬では異なるかも知れないし、昼時と夕方ではそれも異なるでしょう。ましてや従業員が揃っている日と、ほとんど従業員がいない日とでも異なります。接客の商売であれば、来店客の状況でこれも大きく異なります。火災がどこから起きるか、自社から発生しなくても近隣からの発生によっても異なります。冬の夕刻すぎの発災で大規模停電が発生した場合等は、真っ暗な状態下で避難せざるを得ないでしょう。訓練のたびに、さまざまに想定を変えて考え、行ってみることが大事なのです。3.11東日本大震災以降、「想定外」はあってはならないとだいぶ叫ばれるようになりました。最小の被災に留めるためには、多くの想定の下で訓練を積んでおくことが何よりで重要なのです。また、実際の災害時には、規定していた防災マニュアルなどは機能しない可能性もあり、もっと言えば、決めていた指揮系統が機能しない場合もあり得ます。ひとりひとりの行動に委ねて、自分の命を守る行動が期待されるものです。「私はこう考える」「私ならこういう行動をとる」といった自分事としてとらえる訓練も必要でしょう。 |
コラム:防災用語 「噴火警戒レベル」噴火警戒レベルとは、気象庁のホームページによれば、火山活動の状況に応じて“警戒が必要な範囲”と“とるべき防災対応”を5段階に区分して発表する指標です。レベル1は噴火予報で活火山であることに留意するレベル、レベル2と3は周辺警報、噴火警報で、火山周辺規制、入山規制レベル、レベル4と5は噴火特別警報で、高齢者等避難、避難レベルです。火山噴火の場合、レベル4や5になるまで大丈夫だろうではなく、レベル2や3で十分な注意、早めの安全確保が必要と思います。 |
★この日に起きた災害や事件、事故 スペイン高速列車脱線事故(平成25年)死者79、負傷者140以上 |
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