■備えあれば憂いなし-今日の話題 シリーズ連載:企業は防災のため順番に何をすればよいか⑩ BCPを完成させ、復旧から事業再開手順までの一連の統合訓練を実施する! 例え、粗削りなBCP(事業継続計画)であってもよいので、ほぼ完成したなら、まずは正式発行させることです。未知の手順なのですから、不足はあるものです。この段階に至ったなら、まず発行することを優先しましょう。そして、机上でも良いので、手順に沿って、または再びリアルな想定をして、企業全体として動けるかどうか、統合ディスカッション、机上訓練をしてみましょう。その中で、「こうした方が良いのでは」「いや、ああした方が良い」「これはもっと先にやっておくべきではないか」「実際にはそれは現実的でない」等といった、一層有効となる意見が出てくるかも知れません。そうして、再び「BCP」を見直し、改訂していくことです。BCPは完成形などないと思いましょう。絶えず書き足し、あるいは修正して、だんだんと詳細化させていくことです。なお、できるならば、BCPはページ数の多さよりも、ポイントのつかみやすさや、壁面への掲示のしやすさが大切です。そのあたりを考慮すると、一層、BCPとして機能するに違いありません。 すべての従業員に対して、各手順、訓練評価、留意ポイント等、周知する! すべての従業員を集めて、ここまで進んできた背景や推移、状況を伝え、各手順や訓練した結果の評価、実際に被災した場合の留意点等を周知することです。この周知は、可能な限り直接対面によって行われることが、自分事と認識してもらいやすくなるコツと思います。周知に際しては、形式的な、そして単に法令や基準を最低限満たすことだけでない、全員が自らの命を守った上で、出来得る最善策としてBCPを作ったこと、事業再開は、全員のこれからの生活を支えるためであるということを是非とも伝えていただきたいと思います。そのような周知、企業としての考えの熟成が、いざという時、力強いモチベーションに繋がり、個々が確実に動き、事業継続につながると思います。 |
コラム:防災用語 「激甚災害」激甚災害とは、その字のごとく、はなはだ酷い災害のことで、自然災害などによって、大規模な被害が発生し、当該自治体の復旧は容易ではなく、国からの資金的な支援が必要となる災害を言います。激甚災害に指定されると、特別な財政上の援助が期待でき、復旧を早期に進めることができるようになります。昨今では、激甚災害に指定される災害が、たいへん多くなっています。 |
★この日に起きた災害や事件、事故 新潟焼山噴火(昭和49年)噴石による死者3 |
コメント