■備えあれば憂いなし-今日の話題 豪雨時の運転、冠水の速さと引き返せない恐怖! 昨今、各地いたるところで「線状降水帯」が発生し、何時間も、あるいは幾日も多くの雨が集中して降り続くといった現象が見られます。ここは大丈夫というところはなくなってきています。そしてその豪雨は、道路や住宅地を冠水させ、床下・床上浸水も多く発生させるに至っています。道路冠水では、鉄道や幹線道の下をくぐるアンダーパスはもとより、平面な形状の広大な土地一帯が水没し、どこに道路があったのかわからないほどになる状況も珍しくなくなりました。冠水するスピードの速さは、なかなか体験した人にしかわからないようですが、体験した多くの人々の口から発せられるのは、「みるみる間に浸かってしまった」「こんなに早く水が上がるとは思ってもいなかった」という声です。それでは、どのくらいの速さで冠水していくものなのでしょう。もちろん、降る雨の量や降り続く時間、土地の形状や河川の脆弱性によって異なりますが、決してゆっくりと冠水していくというわけではないようです。また、雨が強いときに速く、雨が弱いと遅いというわけでもないようです。ある公開されたデータによれば、氾濫によって冠水する時、その上昇速度は、一般には10分で10cmから20cm、破堤周辺となると瞬時に50cmから70cm上昇し、その後の10分で20cmから40cmの速度で上昇する(出典:2018年、洪水等の特性と避難対応の実態、災害医学抄読会)といいます。瞬時に50cmから70cmといえば、周辺すべてが水に浸かり、道路はわからなくなり、乗用車は車内にも水が入り込み、エンジンは止まり、水流に翻弄されるようになる状況です。ムリしようとの意図なく、普通に走り抜けられるであろう道路で、そのような状況になれば、引き返すこともできなくなり、パニックになる可能性が高まります。ましてや見えない側溝にタイヤが落ちるものならば、命の危険が迫ってきます。このような状況下に陥らないためには、気象情報を早期に入手し、予測される情報またはその前兆状況をつかみ、頑強な建物内に留まることが必要です。なかなか実際には、そうはいかないかも知れませんが、このくらい冠水スピードは速いということを知っているだけでも、行動の制御がきくのではないかと思います。 |
コラム:防災用語 「国土交通省防災朝会」国土交通省が推し進める、学校の前項朝礼など短時間の集いの中で、災害から命を守るために取る行動を学ぼうとする取り組みです。すでに多くの学校で取り入れられ、わかりやすい資料を投影しながら、子供たちが自分事として災害をとえら、どうしたら命を守れるか考えさせる良い機会となっています。 |
★この日に起きた災害や事件、事故 米国ハリケーン・カトリーナ(平成17年)死者・行方不明者2,541 |
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