8月29日 朝礼話材

■備えあれば憂いなし-今日の話題
災害の教訓を改めて学ぼう!  これまでも多所で述べてきましたが、災害は、命の危険や財産の損失に直接に繋がってきます。過去の災害でも、多くの人の命や財産、豊かな自然が失われてきました。一度でも大規模な災害に襲われると、一時的な復旧には至っても、なかなか復興は思うように行かず、人々が戻らないままとなっている地域も多く見られます。だからこそ、被災する前の対策が必要なのであり、それには過去の災害の教訓を活かすことが何よりなのです。品質管理の世界では、よく失敗学が語られます。過去の失敗は何よりも、二度目の失敗をしないための教訓そのものです。どれだけビジネスの世界で、失敗を学び活かすことで、良品質の製品やサービスを生み出し、品質立国と言われてきたか、防災の世界でもそうしていかなければなりません。災害の教訓は、度重なる同じような災害の予見や備えに繋がります。地震の備えは過去の地震に学び、水害の備えは過去の水害に学ぶのです。地震で言えば、これまで直下型もありました。沿岸水域による巨大津波もありました。二度続く震度7もありました。水害で言えば、河川の氾濫による越水、決壊はもとより、河川が大丈夫でも内水氾濫による冠水、浸水もありました。雨が止んでからの水害や土砂災害もありました。土砂災害では、雨のない日にも発生しました。盛土による人的な土砂災害もありました。リスクを承知して入山し、あるいは登山中の山が急に噴火して、多くの死傷者を出しました。人々が多く集まるところでは、群衆雪崩が発生し多くの人が亡くなりました。このように少し思い出しただけでも、たくさんの命や財産、景観が失われる災害に、この20~30年間に経験したものです。そのつど忘れていきがちですが、これからどうしていかなければならないか、真に考える時期に至っていると思います。命を確保し、財産を守り、生活や社会を維持継続していくためには、教訓から得た知見が必要なのです。少しずつ学びなおすことで、被害をゼロにすることはできなくても、最小限化することはできるのではないでしょうか。7月に発生した熊本県を襲った豪雨では、益城町ではあれだけ地域一帯が浸水し、異常な量の降雨があったにも関わらず、死者ゼロでした。住民からは、情報を得て、早い段階の避難をした、外出をやめた、危険を感じてからは自宅の安全な部屋で朝を迎えた、雨の音で行政無線は聞こえないから、自ら命を守る判断をした、といった声が聞かれました。九州では、熊本地震等これまでの地震で傷つき、台風だけでない毎年の豪雨災害に傷つき、それら教訓が、全体的な被害を最小限に留められるようになってきているように感じます。単純比較できないものの、以前よりも被災の程度が小さくなってきているように思われます。災害は怯えるものでも楽観視するものでもなく、学ぶもの活かすものと考えましょう。
コラム:防災用語 「渇水」文字が示す通り、水が渇きあがることを言います。雨が長期間降らない、降っても少量といった状況が見られると水源の水量が低下し、やがては干上がる、またはそれに近い状態となるさまです。水の不足は、直接、農業や各家庭、事業所の生産に影響を与えます。そのために、事前に予測しつつ提供する上水の水量を減らす取水制限などの対策が取られます。
★この日に起きた災害や事件、事故
台風第12,13,14号(昭和60年)死者・行方不明者33、家屋全壊78

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