■備えあれば憂いなし-今日の話題 非常通路幅の確保、非常出入口付近の空間確保できていますか? 災害発生時に、人的被害が拡大するか最小に抑えることができるかは、当たり前と言われそうですが、職場の日常的な整理整頓によるところが大きいです。少しの時間なら大丈夫だろう、作業途中だからと、安易に乱雑になることを許容することが、被災の程度を大きくするのです。今日のテーマで改めて言うなら、災害時に、建物内の通路幅、非常口前の空間確保がたいへん重要だということです。実際には、多くの建物内でこれらが満たせていない場合が多く見られるのです。建物の竣工時には、充分な通路幅や空間確保ができていたとしても、作業上や使い勝手からレイアウト変更することもあるでしょう。改修や新たな設備の導入・設置でも変わっていくことは容易に考えられます。しかし、そのような変化が生じる過程でも、通路幅や空間は確保したいものです。私が訪ねたある企業では、避難訓練を実際に働いている従業員全員で、一気に行っていました。30人が一気にひとつの非常口に向かって動き出したらどうなるかを体感させるためでした。通路にモノがあったり、出っ張っていたりすることで、いきなり人が渋滞し、あるいはケガをしそうになったりし、非常口では行列が出来てしまって、最後の人は表に出られるのに時間がかかったりと、生々しい状況を体感させているとのことでした。どこまでリアルな体感をさせるのが良いかは、その場所の被災リスクの程度やハード面の防災設備充足度によりますが、少なくとも従業員らの防災に向けた認識は高められることでしょう。また、訪ねた別の企業では、建屋の劣化によって、床が歪んでいました。そこに出荷待ちの製品がうず高く積まれ、一部上段が傾いていました。避難するには、直線的には移動できず、迷路上のレイアウトは、何度も周辺を見ないと方向がわからなくなるようでした。下階に降りるには、梯子状の階段を降りねばならず、真に逃げられるのだろうか、心配になってしまいました。読者のみなさんの職場はどうですか?建物の所有が別会社ということもあるでしょう。建物所有者への相談も重要なポイントです。防災に向けたアクションは、一日二日でできるものではありません。少しずつできることから改善していきましょう。お金がかかることだからと躊躇せず、改めて会社や建物所有者に言ってみましょう。その積み重ねが、みなさんの命を失わずに済む早道なのです。 |
コラム:防災用語 「被害想定」防災・減災に向け対策を打つためには、発生しうる災害状況をイメージとして捉えることです。そのためにはさまざまな災害による被害想定を知ることです。大規模災害ですでに予測される被害について、国はハザードマップだけでなく、レポートや動画を作成し公表しています。国土交通省の防災ポータルでは、災害の内容、地域によって整理された関連情報がUPされています。日頃から知ってほしい情報[被害想定]|国土交通省 防災ポータル (mlit.go.jp) |
★この日に起きた災害や事件、事故 東海道全域地震(明応7年)M8.3、伊勢大湊津波死者約5,000、豊洲炭鉱事故(昭和35年)死者67 |
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