9月4日 朝礼話材

■備えあれば憂いなし-今日の話題
避難所のこれからの課題-多様な対策を!  避難所は、すでにご存じの通り、災害時に一時的に身を寄せる居住場所です。小規模な災害で、自宅や職場に被害がないという場合は、一晩二晩ですぐに帰ることができるでしょうが、大規模な災害で、自宅や職場が失われた場合には、数日では済まず数週間、数か月に及ぶことになり得ます。仮設住宅やみなし仮設(民間居住施設)に入ることができるようになれば、プライバシーの確保や、自己炊飯など、ある程度の安全・安心な日常生活が取り戻せますが、避難所では、なかなかそのようにはいかないのが現実です。コロナ禍の影響も受けて、多少の間仕切りが用意されたり、スペースが確保されたりしつつありますが、それでも明るさや暗さ、自然音は共有せざるを得ません。昨今、避難所運営においては、大災害のたびに研究され、要支援者対応や、男女の配慮、乳幼児連れへの考慮なども進んできています。進展がないわけではなく、ずいぶんと以前の避難所運営に比べ、考えられ改善されつつあるのは言うまでもありません。しかし、避難所には、ある特定の人々への配慮が、普段の生活では当然のことのようになされていることであっても、こと避難所ではまだ手付かずという実情も見られます。まず挙げたいのは、アレルギー対応です。避難所は、通常、体育館として使われたり集会所として使われたりしているところです。ホコリやダニ、臭気、使用建材などのアレルギーや、支給される食べもののアレルギーも考えられます。何が対象物質か、何が使われているかの表示は進んでいません。また、もし症状を発症した場合、救急対応が必要ですが、その準備や知見、応急処置の考慮はこれからの課題でしょう。次に、食中毒対応です。調理場所が限られること、食器を使いまわすこと、温度管理がしにくいことなどから、予防はたいへん難しくなっている環境です。避難所を利用される方々は、高齢者も多く、また精神的ストレスを強く受けた人も多いことから、免疫力は落ちていると考えられます。感染するリスクは高いと言えることから、何らかの症状を早い段階で掴み、すぐに移動する、ノロウイルス対応同様の処理をする、病院へ搬送するといった即応手順が必要です。予防策の強化、発症時対応についても、これからの課題と思われます。そして、LGBTQ(性的マイノリティー)に対する対応です。避難所では、ともすると緊急事態時にそんなことは言っていられないという発言が飛び出るかも知れませんが、それこそが不適切対応です。先般、法律が施行されました。法律自体差別助長しないかという声も聞かれますが、障がい者関連法と同様に、理解が高まり配慮・支援する世の中にしていかなければならないひとつと考え、避難所においても今後、議論していくべき課題と思われます。誰もが取り残されず、安全に避難し安心して身を委ねられるような避難所づくり、そして運営が求められます。
コラム:防災用語 「キキクル」キキクルは、気象情報として発出される警報の危険度をマップ上に示したものです。洪水の危険度を示す「洪水キキクル」、土砂災害の危険度を示す「土砂キキクル」、浸水の危険度を示す「浸水キキクル」があり、雨によって引き起こされる災害の危険度を可視化していて、パソコンやスマートフォンで容易に確認することができます。
★この日に起きた災害や事件、事故
なし

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