■備えあれば憂いなし-今日の話題 南海トラフ巨大地震被害想定! 今後30年以内に70~80%の確率で発生すると言われている「南海トラフ巨大地震」について、国はその対策を法制化し「南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法」として規定しています。以前は「東海地震」「東南海地震」「南海地震」と想定される地震を3地域3つに分け、語られていましたが、その後の研究や東日本大震災からの知見、国益に大きな影響を与えかねない広域激甚災害に至る可能性等から「南海トラフ地震」として一本化されました。非常に切迫性が高まっている巨大地震と言えます。この地震発生可能性に対して、首相及び主要閣僚、有識者で構成される防災会議は「南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ」を設置し、想定されるケース、シーンのもとに被害想定を取りまとめています。平成25年3月に発表された被害想定は、令和に入って見直され、元年6月に再計算結果が発表されました。それには「建物被害」「屋外転倒、落下物の発生」「人的被害」が詳細に記されています。ケースでは「駿河湾~紀伊半島沖」「紀伊半島沖~四国沖」「四国沖」「四国沖~九州沖」に分類しそれぞれに大すべり域+超大すべり域を設定、シーンでは「冬の深夜」「夏の正午」「冬の夕刻」に分け、被害想定しています。詳細版は、194ページにわたるため、一般には概要版がわかりよいと思います。他に「ライフライン被害」「交通施設被害」「生活への影響」「災害廃棄物等」「その他の被害」「被害額」といったくくりでの想定も発表されています。国は、それらの被害想定について、文書として発表している他、映像による発表もしています。内閣府による「南海トラフ巨大地震編シミュレーション編」です。平成25年時の被害想定に基づくものですが、そのリアルな映像は、充分すぎるほど危機感を与えてくれます。南海トラフ巨大地震編 シミュレーション編(3分03秒) – 内閣府共通ストリーミングシステム (cao.go.jp)、ちなみに、NHKも、「動画で学ぶ南海トラフ巨大地震そのとき」を制作、公開しています。複数の動画が作成され「南海トラフ地震とは」「地震の揺れどう身を守る?」「津波から身を守るには?」「臨時情報どう行動する?」「必要な備蓄は?」「高層ビルは要警戒 長周期地震動」「職場にBCPありますか?」と分かれ、それぞれ3~5分程度です。動画で学ぶ 「南海トラフ巨大地震 そのとき」|水害から命と暮らしを守る|NHK動画|事前の備えと早めの避難を、改めて「南海トラフ巨大地震」から生き延びるために被害想定について学びましょう。 |
コラム:防災用語 「PDCA」マネジメントサイクルともいい、品質管理手法の基本となっています。PはPlan(計画)、DはDo(実行)、CはCheck(測定・評価)、AはAct.(対策・改善)で、このプロセス循環によりスパイラルアップさせることで改善を推し進めようとする概念です。計画し実行しただけでは十分ではなく、きちんと評価し、不足点を改善することが成果達成、問題解決に向けて欠かせません。 |
★この日に起きた災害や事件、事故 笹子トンネル天井板落下事故(平成24年)死者9、負傷者2 |
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