12月4日 朝礼話材

■備えあれば憂いなし-今日の話題
連動地震発生時は被災地支援が届かない!?  南海トラフ地震は、すでに、1か所で半割れが生ずることで、数時間~数日の間で複数個所の地盤変化が現れ、場合によっては次々に伝播し、連動型巨大地震へと発展する可能性があると言われてきています。南関東地方一帯を襲うであろう首都直下地震においても、それは容易に考えられます。実際に大きく離れはしないものの、関東大震災の時にも、1回の大規模地震に留まらずに、複数回のマグニチュード7クラス地震が数か所で連動して発生していますから、次に来るであろう首都直下地震もまた、その恐れは十分にあると言えましょう。そのような連動型の巨大地震が発生したとすると、個別の地震で考えられていた対策、特に初動の対応は極めて難しくなります。例えば、緊急車両を通すための道路啓開からつまずき、火災は燃え広がり対象物を焼き尽くすまで、消火不能に陥る可能性は十分に考えられることです。また行政機関も、職員の安否確認がままならない中で、自らも被災することで指揮命令系統は錯そうし、開設すべき避難所は、その段取りが手順どおりに行かず、混乱したまま開放せざるを得なくなり、また救命救急活動も、現場に出向くこと及び病院への搬送の両方が困難となって、救えた命が救えない状況と化す可能性もまた、十分あり得ると考えられます。自治会の住民で構成される防災初動班も、自らの被災と若年層の不在で活動が進まず、地域の人々の避難済みか否かの確認もできないまま、右往左往してしまいます。用意していた備蓄品や食料、水も結果的に配付に至らずに、使用できなくなってしまうことに・・・。余震と言っても震度6レベルが断続的に襲うことで、二次・三次災害も発生、一時は助かった命も、次々と失われていってしまいます。停電と断水によって、急激に衛生状況も一変、トイレは汚物と悪臭に包まれ、家庭や事業所から出され始めたゴミや廃家具類が、瞬く間に道路の片隅に積み上げられ始め、道路事情はさらに悪化、通行できない道路ばかりとなってしまいます。近隣どころか、離れた自治体、道府県からの支援の手も、一部空からの支援を除き、遅々と進まない状況で、月日が流れていきます。このような状況に陥ってしまうことは想像もしたくないものですが、かなり現実的に言えそうです。公的機関や施設による支援である公助、地域住民らが協力しあって支援しあう共助、いずれも思い通りに支援活動ができない可能性が高まり、結果的に自分の命は自分で守るといったところに尽きてしまうのではないかと思われます。小池百合子東京都知事は、機会あるごとに、人々、とりわけ内部職員はもとより都民に対して、こう伝えています。「備えよ、常に」と。この言葉が、近未来に襲うであろう災難に対して、すべてを表しているように感じるのは、私だけではないと思います。
コラム:防災用語 「問題解決法」QCサークル手法のひとつとも言われ、抱えている問題に対してプロセス展開で解決しようとする手順です。まず問題としている内容を明確化し、テーマを設定、続いて原因を統計的手法となるQC七つ道具等を活用して特定、そして原因を取り除くべく対策を計画し実施し、成果を評価して、その歯止めをかけるという改善手法です。関連手法に「課題達成法」があります。
★この日に起きた災害や事件、事故
サロンうたまろ火災(東京・昭和51年)死者6、負傷者2

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