■備えあれば憂いなし-今日の話題 防災や災害時は、紙媒体が有用! 世の中は、すっかりデジタル化に向け進行中、あるいは完全にデジタル移行してきています。コミュニケーション媒体も、情報収集媒体も、みんなデジタルとなっています。その流れDXとしてさらに強化、推進されるばかりです。しかし防災士でもあり、また仕事を通じて多くの会社を訪ねる私は、そのリスクを感じているのも事実です。①薬品や化学物質を使用している職場なのに、SDS(安全データシート)は、事務所のパソコンの中!?:薬品や化学物質、毒劇物を仕事で使用する職場は意外と多いものです。先々月の10月には、新幹線内で誤って試薬硫酸を流出させ、乗客が火傷を負った事故がありましたが、化学薬品とは基本的にそういう危険がつきまとうものです。中には傷害には至らない薬品もありますが、触れなくても吸引危険物質もあります。混ぜると有毒ガスが発生するものもあります。少量でもです。そのような事態に備えて、薬品、化学物質の製造メーカーは、その成分、特性、危険度、身体に及ぼす影響とその非常時対策等に触れた「SDS(安全データシート)」の作成が義務となっていて、当該物質の販売時にそれを添付することとなっています。ところが、職場では、薬品や化学物質のみが保管され、SDSは別棟事務所に保管する、昨今ではパソコンの中で保管管理するといった会社が少なくありません。いざという時に一刻を争い、それがどんな物質で、取り急ぎ応急処置は何をすれば良いかが書かれた内容が載っているにも関わらず、その場ですぐに見ることができないことは、安全を確保しているとは言い難い状況です。紙媒体で保管場所に置くというのが、本来の意図をかなえる方法です。②緊急連絡先一覧が、パソコンの中!?:個人情報保護法によって、従業員の連絡先も厳格に管理することが求められるようになっていることから、緊急時の連絡先も容易に確認できない状態で管理されている会社が多いものです。しかし情報セキュリティーのその要素は、機密性だけではありません。要素には可用性があります。つまり使いたいときに使えるようにしておくことです。パソコンは、緊急時に使えない可能性が付いて回ります。アクセスを限定して紙媒体ですぐに連絡とれる状態が望まれます。③ハザードマップや避難経路図もパソコンの中!?:避難をしなければならない時に、避難訓練に参加していない従業員が避難経路をわかっていないというのはよくある話です。それでも容易に避難できることが重要です。前述と同じくパソコンを開いている猶予はあまりないものです。壁に掲示し見た目で方向がわかるようにしておくことが期待されます。決してデジタル化、データ保管を否定するものではありませんが、災害時や緊急事態時は、とにかく焦るものです。そして何よりも救助救出、手当てを急ぎたいものです。そのような状況に陥る状態をイメージすればするほど、その時に何が有用か、気づけるのでは、わかるのではないかと思うのです。 |
コラム:防災用語 「ダウンバースト/ガストフロント」強い上昇気流によって巨大化した積乱雲の下で、冷たい下降気流が噴き出し、強く地面にたたきつける現象をダウンバーストと言い、その付近の暖かな空気とぶつかって前線が作られ、突風が吹く、この現象をガストフロントと言います。局地的な現象ですが、狭い範囲とはいえ大きな被害をもたらす場合があります。 |
★この日に起きた災害や事件、事故 なし |
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