■備えあれば憂いなし-今日の話題 ISO26000社会的責任に関する手引き規格紹介!② 本シリーズ2回目の今日は、“社会的責任”という用語の定義を紹介するとともに、「社会的責任の原則」、及び「社会的責任の認識」について触れてみたいと思います。社会的責任とは、その定義で「組織の決定及び活動が社会及び環境に及ぼす影響に対して、“健康及び社会の福祉を含む持続可能な発展に貢献する”、“ステークホルダーの期待に配慮する”、“関連法令を順守し、国際行動規範と整合している”、“組織全体に統合され、その組織の関係の中で実践される”ような透明かつ倫理的な行動を通じて組織が担う責任」としています。続いて、箇条4に書かれている「社会的責任の原則」について紹介しましょう。原則として7つ挙げられています。①「説明責任:組織は、自らが社会、経済及び環境に与える影響について説明責任を負うべきである」です。その上で、組織は次の事項に説明責任を負うべきであるとして、「自らの決定及び活動が、社会、環境及び経済に及ぼした影響。特にそれらがもたらした重大なマイナスの結果」「故意ではなく、かつ、予測できなかったマイナスの影響の再発を防ぐためにとる行動」としています。②「透明性:組織は、社会及び環境に影響を与える自らの決定及び活動に関して、透明であるべきである」です。その上で、「組織の活動の目的、性質及び場所」「組織の活動の経営権をもつ者の身元」「組織が決定を下し、それを実施し、確認する方法。組織内の各部署の役割、責任、説明責任及び権限の定義も含む」「組織が社会的責任に関する自らのパフォーマンスを評価するときに用いる標準及び基準」「社会的責任に関連性があり重要な課題に関するその組織のパフォーマンス」「組織の資金の出所、金額及び使途」「組織の決定及び活動が、そのステークホルダー、社会、経済及び環境に与える既知の影響及び起こり得る影響」「組織のステークホルダー、及びステークホルダーを特定し、選択し、エンゲージメントを行うときに用いる、基準及び手続」について透明であるべきとしています。③「倫理的な行動:組織は、倫理的に行動すべきである」です。その上で次のような行動を促進すべきであるとしています。一部抜粋します。「組織の倫理的な行動の基準を順守し奨励し、促進する」「組織全体を通して、非倫理的な行動につながる可能性のある利益相反を予防したり、解決する」「倫理的な行動をモニタリングしも指示し、強化するため、監督の仕組み及び管理方法を確立し、維持する」等です。④「ステークホルダーの利害の尊重:組織は、自らのステークホルダーの利害を尊重し、よく考慮し、対応すべきである」です。⑤「法の支配の尊重:組織は、法の支配を尊重することが義務であると認めるべきである」です。「全ての法的義務を把握しておく」「関連する法規制の順守の状況を定期的に確認する」等を行うべきとしています。⑥国際行動規範の尊重:組織は、法の支配の尊重という原則に従うと同時に、国際行動規範も尊重すべきである」です。「国内の法又はその施行によって、環境又は社会を守るための適切な保護手段がとられていない状況においては、組織は少なくとも国際行動規範を尊重するよう十分努力すべきである」としています。⑦「人権の尊重:組織は、人権を尊重し、その重要性及び普遍性の両方を認識すべきである」です。「国際人権章典に規定されている権利を尊重し、可能な場合は、促進する」としています。ISO26000規格は、要求事項規格ではないとしつつも、多くの箇所で「~すべき」という語尾を多用している点から、要求事項とも受け取り得る規格と言えます。 |
コラム:防災用語 「オゾン層破壊」オゾン層はオゾン(酸素原子3個からなる気体)の90%が上空約10~50㎞にあるというオゾンが多い層で、太陽からの有害な紫外線を吸収し、地球上の生態系を保護する役割を担っています。このオゾン層は、フロン、ハロン、臭化メチルといった破壊物質によって、破壊され、濃度が薄くなり、紫外線が直接地球に降り注ぎ、生態系に悪影響を及ぼすとされてきました。これらの破壊物質は、現在ほぼ使われなくなったことで、数十年先には、オゾン層が完全復活すると言われています。しかしフロンに代わって開発された代替フロンは、オゾン層の破壊はしないものの、地球温暖化には他の要因以上に悪影響を及ぼしているとされています。 |
★この日に起きた災害や事件、事故 桜島大噴火(大正3年)死者58大隅半島と繋がる、滋賀甲西ガラス倉庫火災(昭和55年)、ハイチ地震(昭和22年)M7.0死者・行方不明者222,500 |
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