■備えあれば憂いなし-今日の話題 複合災害を想定しよう! 本年1月1日まさに元日お屠蘇気分、初もうで、テレビではお笑い番組が流れる中、石川県能登半島を襲った震度7の激震による地震災害!日に日に被害程度がわかってくる中で、死傷者、避難者が膨れ上がっていきました。能登半島地震では、揺れによる建物倒壊、津波による家屋や車両の流出、土砂崩れによる流出、主要道路の崩壊、火災による広域消失、液状化による家屋及び道路の傾斜等々、さまざまな被災となる複合災害そのものでした。災害は単発とは限りません。巨大地震による揺れ、大津波の発生、液状化の発生、場合によっては台風や線状降水帯が同時に襲い、強雨・強風にさらされるといった状況になり、さらに、広域に地震が多発、または火山が噴火するといった事態が重ならないとは言えなくなっています。以前も本コーナーで記しましたが、企業が策定しているBCP(事業継続計画)や、防災訓練においても、多くが単発的な災害発生想定となっていて、複合的な災害発生が想定されていません。私がこれまでに訪ねた企業のほぼすべてで、「地震」を想定した避難訓練、「火災」を想定した火災訓練、と個別に行っており、台風下で巨大地震が発生して、構内が液状化によって建屋が傾斜し、そこに大津波警報が発令されて、構内の一角から火災発生・・・といった想定による訓練を実施した事例は皆無です。また、被災後も、その複合さによっては対応も複雑化することから、事前にいかに想定した手順を有しておくかは、事業再開に直結するでしょう。避難、安全確保、安否確認、トイレ対策、設備等点検、火元可能性注意、照明対応、社内滞在、感染対策、飲料水・食料対応、顧客先安否確認・・・と次々にすべきことが出てきます。二次災害に遭わないような対策、必要によっては二次避難も考えなくてはなりません。ぜひ、今回の能登半島地震の教訓を得て、複合災害を想定した対応手順の構築、訓練の実施を推し進めてほしいと思います。 |
コラム:防災用語 「みんなの防災手帳」東北大学災害科学国際研究所がプロジェクトを組んで制作し多賀城市市内を中心に配付した冊子。1章発災前 生きるための備え 2章発災~10時間 命を守るために 3章10~100時間 生き延びるために 4章100~1000時間 生きぬくために 5章1000~10000時間 よりよく生きるために 6章各自治体情報 で構成されています。別に姉妹版で「ぼくとわたしの防災手帳」もあり、同研究所が市内の学生にインタビューして作り上げた子供たち向けの冊子です。 |
★この日に起きた災害や事件、事故 なし |
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