■備えあれば憂いなし-今日の話題 今や、最大リスクは偽情報! 以前少しふれたことがあると思いますが、「世界経済フォーラム」という会議体をご存じでしょうか。世界経済フォーラムは、政界やビジネス界、その他社会の主要なリーダーが集まり、官民各セクターの協力を通じて、世界が抱える諸問題を含む情勢の改善に取り組むべく、1971年に非営利団体として設立されました。世界経済フォーラム (weforum.org)。世界経済フォーラムの活動の中でも、とりわけ昨今注目されているのが、世界的な規模のリスク分析です。今、世界各地で起きている顕在化したリスク、起こり得る潜在的なリスクを、縦軸に長期的な深刻度を置き、横軸に短期的な深刻度を置いて分析した表があります。長年、そのどちらも高いとする深刻度ナンバー1が「自然災害と異常気象」でした。そしてその周辺には「気候変動の緩和策の失敗」「気候変動への適応策の失敗」「大規模な環境破壊や災害」といったリスク項目でした。このことは、「グローバルリスク報告書2023」の中で「グローバルリスク2033:明日のカタストロフ(巨大災害)」とタイトルをつけて6ページも割いてレポートしているほどです。報告書からそのまま引用すれば、“2033年の世界”として、「長期的なグローバルリスクの展望も また、悪化していく環境リスクによって占められている。より具体的には、気候および自然環境関連のリスクは、 今後10年間に顕在化すると予想される深刻度の上位10位の リスクを占めている。「気候変動緩和策の失敗」と「気候変動 への適応の失敗」は、GRPSで初めて個別のリスクとして紹介 されており、地球規模で最も深刻なリスクランキング上位に なり、「自然災害と異常気象」そして「生物多様性の喪失と生 態系の崩壊」がこれに続く」と記している。そんな「グローバルリスク報告書ですが、直近発行された同報告書の2024年版では、少し様子が変わってきています。世界経済フォーラム発の2024年1月10日付プレスリリースによれば、「グローバルリスク報告書2024年版:環境の脅威が激化する中、偽情報がグローバルリスク2024のトップに」というものです。具体的には次のように記されています。「2024年のリスク見通しでは、持続する生活費危機と、AIによる誤報・偽情報、社会の二極化が絡み合うリスクへの懸念が大半を占めました。今後2年間にいくつかの主要経済国で選挙が実施される中、改ざんされた情報と社会不安の結びつきがリスクの中心になるでしょう」というものです。どうでしょうか。人々は、さも真実と思って受け取る情報の多くに誤報や偽情報が多く混在し、またAIの悪用による情報操作によって、混乱をもたらすことを示唆しているのです。情報を受け取る側の真摯なかつ冷静な判断が求められ、十分に取捨選択してそれを拾っていかないと、大きな影響を受けるということでしょう。災害時は特に注意を払う必要があります。今回の能登半島地震でも、多くの偽情報が流れました。また自動車業界の改ざんされた記録は、多くの車両の出荷停止といった、前代未聞の事態が続いています。グローバルリスク報告書2024(サマリー):info.marsh.com/jp_grr2024_summary_file。 |
コラム:防災用語 「洪水警報基準」気象庁から発表される注意報、警報には、それぞれの種類ごとに発表基準があります。洪水警報は、「洪水によって重大な災害が起こるおそれがあると予想される場合。具体的には次の条件に該当する場合である。1時間雨量が50mm以上又は1時間雨量が30mm以上かつ河川流域雨量指数9以上等です。しかし、複合災害によって二次災害の危険等がさし迫っている場合には、これらの基準を満たさなくても発表することがあります。 |
★この日に起きた災害や事件、事故 水上菊富士ホテル火災(群馬・昭和41年)死者30、負傷者28、東日本大震災(平成23年)M9.0死者・行方不明者22,303、負傷者6,242、家屋全壊122,005 |
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