■備えあれば憂いなし-今日の話題 大規模災害時は、さまざまな法律で規制緩和、基準緩和が行われる! さまざまに規制や制限を与える法律ですが、それらはあくまでも平常時の中で、人が社会生活を営む上で欠かせないものです。一定の基準があるからこそ、その基準や規定に従って、社会が回るのです。しかし、一旦大規模な災害が発生して、着の身着のまま逃げて、長く続く避難生活に至ったらどうでしょう。いろいろな届け出もままならない。資格証が無くなってしまった。普段何気に使っていた道路は崩壊し通れない…とこのような状況下では、規制通りに進む訳がありません。また、各種免許類が失効してしまったら活動も鈍化してしまいます。このような状況に対処すべく、2011年に発生した東日本大震災では、さまざまな規制緩和、基準緩和が取られました。自動車運転免許証が無くなってしまった人も一定の条件下で再交付を容易にする、届け出が遅れても効力を失わない、復旧した高速道路を無料で開放しますといった特別措置です。今回の能登半島地震でも同様の配慮が行われました。東日本大震災時の「関連した各府省の規制緩和等の状況」というまとめられた一覧がありますので、いくつか抜き出してみましょう。警察庁:居住証明書による運転免許証の再交付申請の受理、被災した教習所における他の教習所の運転シミュレーターを借用しての教習、消費者庁:食品衛生法に基づく表示基準の経過措置の運用、総務省:震災により本人確認が困難な場合の携帯電話契約の本人確認方法の特例、法務省:供託金の納入期日の延長、厚生労働省:国民年金保険料の免除、労働保険料等の納付期限の延長及び納付の猶予、農林水産省:災害復旧事業に係る計画概要書等の提出期限の延長、経済産業省:被災地における品質維持計画の特例措置、国土交通省:自動車検査証の有効期間の延長、危険物荷役に係る許可手続きの簡素化、特車許可審査事務の迅速化、環境省:緊急のため海洋投入処分を認める廃棄物等の指定、等々多くに対して特例措置が取られました。item230419.pdf (cao.go.jp)。また、「国の資格試験に係る特例措置」も取られました。こちらはその事例が出ていますので、少しだけ紹介してみます。①試験前に行われた試験の合格発表後における証明書類の提出期限の延長等、②試験日変更、追加試験の実施、③受験料の返還、④次回以降への振替、再受験、⑤他試験地への変更可、⑥申込期間の延長、⑦試験の一部免除に係る有効期限の延長、等です。000125420.pdf (soumu.go.jp)。災害による各種規制の緩和、特例措置は、今後の災害でも重要な行政サービスと言えます。いかにスピーディーに適用していくか、今後の大規模災害時に大いに期待されます。 |
コラム:防災用語 「防塵マスク/防塵フィルター」ほこり、粉塵等微細な粒子の吸引を防ぐためのマスク、ろ過材を言います。マスクは使い捨てのものとフィルターの取り換えで継続して使えるものとがあります。吸引すると肺にダメージを与え呼吸困難に陥ることから、いかに吸い込まないかが重要であり、防塵マスク、防塵フィルターが必要です。ほこりや粉塵が舞う作業を行う職業では、着用しますが、一般には縁遠いものと思われます。しかし、昨今叫ばれる火山噴火では、降灰からの健康対策として着目され始めています。 |
★この日に起きた災害や事件、事故 漁船第8宝健丸他7隻沈没事故(昭和45年)死者・行方不明者30流氷押し寄せ |
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