■備えあれば憂いなし-今日の話題 上水道と下水道の仕組みを知ろう! 今日の話材は、上水道の仕組み、下水道の仕組みです。なぜ、このテーマにしたのかは既におわかりの方が多いと思いますが、地震を含む大規模な災害では、必ずと言ってよいほど断水になり、水が提供されなくなるだけでなく、トイレも使用不可となります。それは上下水道ともに埋設された「配管」が命であって、亀裂・断裂が起きれば、たちまち漏洩し、広域に被害が拡大してしまうからであり、即時に上水道を止める、汚水を流さないように呼び掛けるといった処置が展開されるからです。普段は水があることを当たり前として享受し、汚水は流せるものと、何の疑問もなく生活していますが、いざ災害が発生すると、たちまち不便な状況に陥ります。食事が作れない、洗濯ができない、風呂に入れないといったできない尽くしとなります。そんなことで、今日は、そもそもの仕組みについて紹介したいと思います。上下水道の所管は、各市町村ですが、一部には県営等もあります。上水道の仕組みは千葉県のページにわかりやすい解説があり、下水道の仕組みは大阪府堺市上下水道局のページがわかりやすいので、それぞれのホームページから解説を引用しながら紹介したいと思います。多少地域によって施設の呼称が違うかも知れませんが、およその仕組みは共通です。⑴上水道の仕組み:上水道の源水は川や沼の水です。もちろんそのままでは上水とはなりません。取水塔から取り込んだ水は、沈砂池に送られ、砂や泥から分離した水を、導水ポンプを使って浄水場に送ります。ここも電気は必須です。浄水場では、着水井に入り、薬品混和池、フロック形成池、沈殿池、ろ過地へと進め、さらにオゾン接触池、活性炭吸着池を通って、いよいよ配水池に入って、送水を待ちます。やがて送水ポンプから配水塔・給水場に送られ、やっと家庭等に到着することとなります。長い長い道のりです。1か所がダメになったら、もう家庭まで届きません。水道水ができるまで/千葉県 (chiba.lg.jp)。⑵下水道の仕組み:水を受ければおのずと排水するという循環になるのは当然です。昔は土中に流していた雑排水も、今では100%排水管がめぐらされ、下水処理場に流れ着いて、処理水となって放流、または二次利用へと進みます。雨水と汚水の両方を同一管で流す「合流式」と汚水は汚水のみといった「分流式」があります。汚水は、排水設備を通って、下水道管を流れ、ポンプ場を経由して下水処理場にたどり着きます。家の各排水管から流れ出た汚水は、排水設備を通って敷地外の下水道管に向かいますが、敷地内の排水設備は、個人が管理しなければなりません。よって、排水管が壊れるような揺れがあったなら、壊れているかどうか不明であっても排水を止めなければなりません。さて排水設備を通過した汚水は、下水道管を流れていきますが、基本的には、高い方から低い方へと自然に任せて流します。その張り巡らされた距離は、途方もないほどです。例えば、液状化現象等によって、路面が浮き沈みしたなら、当然排水は上手に流れていきません。やがてポンプ場に着いたなら、低い下水道管の汚水は、下水処理の高さへと押し上げる必要があり、ポンプが活躍します。もちろん電気がエネルギー源ですから停電で非常電源も使い切ったら、下水処理はできません。下水処理場では、分層化しており、沈殿→生物反応→最終沈殿→塩素混和し放流します。また一部は再生に向けた処理へと進みます。ひとたびこの経路上で災害が起きれば、そう簡単に復旧するものではありません。下水道のしくみ/堺市上下水道局 (sakai.lg.jp)。 |
コラム:防災用語 「救急救命士」救急救命士法に基づいた公的資格で、医師に替わって医師の指示を受けながら、重傷病者を病院に搬送するまでの間、命を救うための処置を行う免許制度。生命の危機回避、搬送先の選定、迅速搬送、搬送途上の悪化回避等が使命であり、救急救命措置を図ることが主体業務です。 |
★この日に起きた災害や事件、事故 なし |
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