■備えあれば憂いなし-今日の話題 初期消火の限界って知ってますか? みなさんの職場では、火災を想定した消火訓練(訓練用消火器を使った訓練)をされているでしょうか。その際、初期消火の限界について教わったでしょうか。訓練では、消火器の使い方や炎に向けるのではなく火元に向けるのだということは教わっていると思います。今日は、初期消火の限界について述べたいと思います。あるところで火災が発生した場合、すでに炎が見えず、黒煙に覆われているような場合は、消火活動以前に、一酸化炭素中毒で命を失う可能性がありますから、すぐに退避することとなります。十分な装備を有している消防士ではない限り、消火することも、人を助けに進むことも、重要書類やデータを取りに行く行為も厳しいことを知りましょう。さて、まだ火が出たてで、炎も小さいとしましょう。この状態であれば初期消火は可能です。もっとも消火器を探している間に、炎が大きくなり、黒煙が立ち込め始めたなら、先ほど同様、退散することです。初期消火に当たっては、先ほど火元に向けると言いましたが、燃えているものにもよります。油系は消火器の種類によっては火を拡散させてしまいます。訓練で泡消火器訓練はしていないでしょうが、びっくりせずに泡で燃えている対象物を包むことです。消火栓は通常、水消火となりますが一部に泡消火栓もありますので、確認しておきましょう。さて、火がどのくらいの大きさになったなら退避を考えるか、と言う本題に入りましょう。一般的に、初期消火が可能なのは火が自分の背丈程度の高さまでと考えましょう。火が高く上がり、自分の背丈を超えて、天井近くまで燃え広がった時点が、初期消火の限界です。木造の一般住宅では、その後火の回りは早くなるため、一刻も早く避難することが重要です。鉄筋鉄骨づくりのビルであれば、火災が発生した部屋を、限界を感じて避難する際に、出口扉は閉めることが推奨されています。酸素の供給がなされるほど火は拡大し、酸素が供給されないほど火は弱まるからです。 |
コラム:防災用語 「防災マネジメントシステム」ISO(アイ・エス・オー)マネジメントシステムに取り組み、品質や環境、情報セキュリティー、労働安全衛生といった何らかのマネジメントシステムを運用し、外部機関によって認証されている企業であれば、防災マネジメントシステムもそのひとつと捉えていただけると思いますが、そうでない企業ではマネジメントシステム自体がわからないかも知れません。マネジメントシステムは、PDCAサイクルにより運用管理を進めることです。方針・目標を定め、目標を達成すべく組織内を適切に指揮・管理していくことで、成果を得ようとする仕組みです。テーマを防災とし、いかに組織として災害に備え、万一の際の被害を最小限に留めようと、PDCAサイクルで運用管理する体系が防災マネジメントシステムです。現状ではISO化されていませんが、被災後いかに早く事業再開を目指すかを計画的に進める「事業継続マネジメントシステム」に対して、事前準備や事前復興などを念頭においたのが防災マネジメントシステムであり、日本が中心となって研究が進んでいます。 |
★この日に起きた災害や事件、事故 文化大火(文化3年) |
コメント