6月12日 朝礼話材

■備えあれば憂いなし-今日の話題
災害備蓄品どこに保管している?  みなさんの会社では、災害時用に準備した備蓄品をどこに保管していますか?会社の場合を考えてみましょう。会社の場合、建屋がひとつの場合と複数に分かれている場合、ある階のみの場合と地階から上層階まで複数階に渡っている場合、備蓄品を置くようなスペースはない、などと会社の事情は多岐に渡るでしょうが、どこにどのように保管しておくのが良いでしょう。たいがい管理を任されている総務担当の近くが良いのか、人数が多い作業場の方に置くのが良いのか。災害時のための備蓄品保管場所を選択するポイントはいくつかあります。ひとつ目は、いざという時のために準備しておくものですから、普段の活動に支障がなく、災害発生時にはすぐに手に取れる場所に保管したいものです。また、ふたつ目は、災害備蓄品保管場所自体が倒壊または浸水してしまっては、使い物にならなくなってしまいますので、そのようなリスクがある場所には置かないことも重要です。みっつめは、使うものを使うであろう場所に置くというのもポイントです。①私が訪ねたある会社では、災害備蓄品が、通常行きかいする通路に保管され、人が通るにも荷物を動かすにも、入荷品の受入をするにも、通路幅が狭くなってしまって、普段の活動に支障が出たり、消防署から通路幅が確保されていないといった指摘を受けたりしていました。②別のある会社では、物置として使っている部屋に、備蓄品を保管していました。しかし年月が経つ中で、備蓄品は一番奥へと押しやられ、普段使っている什器や備品が手前半分塞いでいました。いざという時には、手前のモノを出さないと備蓄品が取り出せない状況で、それも手前の什器・備品は重量物ばかりで、容易には表に出せないし、奥にも進めない状況でした。③また別の会社では、地階に備蓄品を保管していましたが、地域のハザードマップでは、浸水の可能性がある立地でした。④さらに別の会社では、自社内に置かず、1キロほど離れた場所の貸倉庫に保管していました。いくつか事例を紹介しましたが、いずれも適切でない保管であること、理解いただけるでしょうか。①普段の活動に支障が出たり、消防法の指摘を受けたりでは元も子もありません。②いざという時にすぐに取り出せないようではいけません。③ハザードマップなどで倒壊や土砂災害、浸水などの可能性がある立地では、それを考慮した場所や階層を考慮する必要があります。④すぐに使えないだけではなく、備蓄品を取りに行く際の手間、途中の危険リスクなどが生じます。災害備蓄品の保管場所は、どのような状況下に陥るかをイメージしたうえで充分な検討が必要です。
コラム:防災用語 「既存不適格建物」建築物は建築基準法に則って建設されますが、その基準は、発生した災害による被災状況などによって見直されます。ある建物がその竣工時には、当時の基準で作られ的確であったものの、その後改正された基準では不適格となった建物をいいます。特に耐震基準は、1981(昭和56)年6月に現行基準に改正されましたが、それ以前に建てられた建物でそのご耐震化工事を行っていない建物をこのように呼びます。旧耐震基準では、震度6程度の地震で倒壊すると言われています。
★この日に起きた災害や事件、事故
宮城県沖地震(昭和53年)M7.4、死者28、家屋全壊1,383

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