6月30日 朝礼話材

■備えあれば憂いなし-今日の話題
富士山は噴火しないなんて誰が言える?  少なくとも、今、生きる人々が生まれた時には、美しい富士山があり、その美しい姿を日本の誇り、象徴としてみて育っていますから、噴火することも、姿を変えることも、あってほしくないものです。できれば、自分の目の黒いうちは、その時が来ないでほしいと思います。しかし、噴火しない、姿を変えないとは誰も言えないわけで、各地に大きめの地震が頻発する昨今、地球の地下は活発であることはすでに否定できません。この数年、富士山が噴火した場合の被害想定について、専門家により活発に議論され、報道されています。可能性としては高いのでしょう。富士山は活火山です。噴火したなら、火砕流、溶岩流もさることながら、広域にわたる降灰が懸念されます。降灰は、噴出した細かな砂状のものが煙として立ち上り、空中に舞い、灰や破砕噴出物が降り積もる現象です。地上に大量に降り注げば、交通マヒ、重さによるインフラの倒壊、河川では濁流、農作物は壊滅、海に大量に降り注げば、小型船の沈没、魚類の死、そして人間も呼吸器疾患を多発といった惨状が考えられます。雨や雪と違って、容易に流れる、溶けるということはなく、処分行為をしない限り、しばらく無くなりません。また、登山客も多いことから、噴石排出や、火砕流、溶岩流が発生するような急な噴火がいざ発生すれば多くの人命を失うことに繋がってしまいます。当然、そのような事態となれば、飲食を含めたさまざまな生産、物流、販売が停止することは容易に想像できます。いかに、公開される正しい事前情報を普段から入手し、予測が当たる・外れるに関係なく、警報警戒が発出されたら、避難行動に移ることが重要です。何度も外れる可能性もあり、1度当たる可能性もあります。他のリスクなら許容することも、こと富士山噴火は、同じにとらえてよいかどうかは考え物です。長期的な視点では、専門家の報告次第で、インフラの被害を最小限に抑えることのような対応策を考えていかなければならないでしょう。
コラム:防災用語 「防災集団移転促進事業」災害(例えば地震、津波、洪水、土砂崩れなど)で被害をうけた地域、または将来そのような災害で被災する恐れがある地域から、集団で新たな場所に移住してもらおうと市町村が主体となって推し進める取り組みです。現在、まだ被災していないが危険リスクが高い立地のため、地域全体で集団移転したという事例が出始めています。国から地方自治体への補助支援事業となっています。
★この日に起きた災害や事件、事故
伊豆群発地震(平成元年)

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