■備えあれば憂いなし-今日の話題 現実的に起きうる救急搬送不能状態! 地域にもよりますが、しばらく前までは、救急車を呼べば10分から30分ほどで到着し、救急措置が施され、そう永く待つことなく病院へ搬送されたものです。山岳地や離島といった遠隔地であっても距離的事情を別にすれば、救命救急対応はすぐにしてもらえる、それがこれまでは当然と思っていました。それが、2020年初めからの新型コロナウイルス感染症蔓延によって、その安心感は消え去りました。救急搬送困難事案とは、救急隊が医療機関に患者の受け入れを要請したにも関わらず受け入れを断られたのが4回以上で、かつその現場に30分以上留まり続けた事案です。コロナ禍でのピーク時には2022年8月期で一週間計6747件の救急搬送困難事案が発生しました。スムースに搬送され治療を受けていれば、救われたであろう命も相当数に上りました。大規模災害、特に巨大地震が発生した場合も、同様に救急搬送困難事例が多数発生すると予想されます。実際に阪神・淡路大震災や東日本大震災では、医療機関側が被災して受入不能に陥ったケース、医療機関側は被災せず機能を果たせる状況にあったが、道路の寸断や瓦礫による通行不能により搬送不能に陥ったケース、この両方が発生したのです。次の大規模災害でも、必ずこのような状況は起きうるであろうと容易に推察できます。ですから、いかに大ケガをしないかということもさることながら、救急車を呼ぶ必要がない程度の場合は、極力呼ばないという救急車の適正利用、家族または近隣の協力によって、簡易なトリアージがなされ、真に救急搬送が必要な傷病人を優先できるようにするといった、住民の知恵による節度と優先度合いを根拠とした救急搬送調整が必要になってくると思われます。ひとりひとりが災害から自分の命を確保することに努めれば、その分、助かる命を死なせずに済むことに繋がるのではないでしょうか。 |
コラム:防災用語 「バックウォーター現象」昨今の豪雨災害などで頻繁に叫ばれるようになった現象のひとつです。ひとつは、川幅が下流で狭くなることで上流側が増水してしまう現象、もうひとつは、河川本流の流れが著しく、支流からの合流地点で支流側が流れを失い増水してしまう現象です。この現象による決壊が増え、細い川だから大丈夫とはすっかり言えなくなりました。 |
★この日に起きた災害や事件、事故 なし |
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