7月27日 朝礼話材

■備えあれば憂いなし-今日の話題
シリーズ連載:企業は防災のため順番に何をすればよいか⑨  被災直後のサービス提供手順によっては企業ブランドに大きく関わることを認識する! 2011年3月の東日本大震災時、東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランド社は、地震直後の園内混乱時においても、帰宅困難となった中で、ひとりひとりのキャストによって顧客の不安を解消すべく、売り物の袋を配り、またはぬいぐるみを提供して寒さをしのぐよう促しました。またその当時、暖かい非常食などほぼ考えが及んでいなかったにも関わらず、顧客に暖かい食事も提供しました。この一連の行動はマスコミや災害専門家の間でも注目され、緊急時対応のすばらしさに、一層ブランド力が上がったものでした。普段からどのように災害時を考え、その時に動けるようにしておくか、特に被災直後にどう動けるかが、企業ブランドのその後に影響を及ぼす昨今となっています。そのことを企業は認識しなければなりません。 出来うる作業からの開始手順、補修等を行って作業再開する手順の構築、可視化 被災の程度によって、行動が異なることは前述しました。取り急ぎ出来うること、出来うる作業から始めようとするなら、その開始手順を明確にしておくことです。必ずしも力量を備えた従業員だけで動かせるとは限りません。ある程度、ヘルプ体制で乗り切れるような、具体的な手順の構築が必要です。また、まずは修復し、一定の復旧が出来次第、事業を再開することとなる場合には、修復、復旧手順を明確にしておくことです。設備や什器の修復となれば、内部要員でできること、専門業者に委ねる必要がある部分など、状況により大きく変わるでしょう。連絡手段、連絡先、代替業者等、考えを及ぼす必要があります。そして、復旧したなら、その後の段取りが見えていなければなりません。そのような被災直後は、すぐに市場に製品を提供できるわけではないし、すぐにサービス提供できるとは限りません。資金対応、材料等購入対応、生産計画からサービス提供計画までの一連の運用対応、要員の勤務体制づくり、試験や検査を経て、ラインにのせ、出荷検査やプロセスの妥当性再評価を済ませて、初めて顧客に手渡るようになるのでしょう。日常さりげなく行っているルーチンワークは、事業が一旦停止すると、事業再開にいかに、PDCAに沿った手順運用、工程管理が重要か改めて感じるものです。言い換えれば、そのような発災時にも、慌てずに淡々と事を進められるよう、手順を明確にしたうえで可視化しておくことです。その時を迎え、行き当たりばったりでは、思わぬ再停止や作業中断、予想に反した遅れが発生します。 購買先、協力会社の再評価、再検討を含むパートナーシップ契約の締結 事業再開手順の中で、もうひとつ重要なカギとなるものに、購買先や協力会社つまり事業パートナーの事業継続状況です。これまでの購買先、協力会社で再始動できるのか、あるいは不測の事態を想定し、新規購買先との間で、緊急時パートナーシップ契約を締結しておくか、新たな仕入れルートが必要になることも十分考えられます。これまでの災害でも多く見られことですが、自社自体は被災せずに助かったにも関わらず、パートナーが被災して長い間、製造中断を余儀なくされた企業も多く見られました。
コラム:防災用語 「グローバルリスク報告書」1971年に設立された世界経済フォーラムが毎年発表しているレポートです。世界経済フォーラムは非営利の国際組織であり、各界のリーダーと協力して、世界のおかれた状況を改善しようとしている団体です。今、世界が直面しているリスクについて、アンケートを取り分析したものが「グローバルリスク報告書」です。直近の版である2023年版では、最も深刻なリスクとして、上位10リスクのうちの6つが気候変動に関わるリスクとなっています。
★この日に起きた災害や事件、事故
なし

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