
■備えあれば憂いなし-今日の話題 トイレは使えなくなる? トイレの話は、災害時または災害教訓として、とても重要なテーマのはずですが、デリケートな問題だからか、真摯に対策を考えている人は少ないように感じます。断水してれば、ザバッと水を流せばいいじゃないか、停電になったって、わずかな灯りがあれば、用を足せるじゃないか、そう思っていませんか。実はそんな簡単な問題ではないのです。トイレは水洗である限り、電気と上水道(上水管)と下水道(下水管)、そして上水を供給する浄水場、下水を管理する処理場で成り立っています。巨大地震(といっても震度5強くらいでも)が発生したら、埋設して何年もたつ管や浄水場、処理場壁などは、傷による漏出の可能性が充分あります。また建屋内に張り巡らされた排水管の損傷も考えられます。もしも、あなたが流したトイレの水が、例えペットボトルの水であったとしても、下の階で漏れ出し、別被害を呼ぶかも知れません。ビルによっては屋上にポンプで汲み上げている高置受水槽であれば、たちまち水がなくなるかも知れません。よって携帯トイレが必要となるのです。(簡易トイレは用を足すための隠れるスペースが必要ですので、男女必要数の確保が難しい場合がありますし、ひとつとりあえずあれば良いというものでもありません) 携帯トイレは、成人ひとり1日6回排泄するとして、3日程度トイレを通常使用できないとしたら、人数×6×3の数量が必要となります。できれば7日間分が推奨されています。その間で行政による仮設トイレが設置され始めることとなります。まず5~7日、仮設トイレは来ないと考える必要があります。さて、携帯トイレは、どの段階で使い始めるのが良いでしょう。配管が壊れているかどうかわかるのは事後のことですから、漏出してしまう恐れがあるなら、調査結果を待たずに携帯トイレを使い始めることとなります。まず先に、便座の下に、溜まっている水を遮蔽すべくビニールを被せ、便座を下して、使用する携帯トイレひとつ分のビニールを被せて用を足し、凝固剤を入れて取り出し、固く結んで汚物用のポリバケツ等にまとめます。そうそう、汚物をまとめておくポリバケツ等も必要ですよ。 [参考情報]関連サイト:日本トイレ研究所 ![]() |


コラム:防災用語 「災害関連死」災害によって、例えば建物や家具の倒壊による圧死や、火災による焼死、津波や洪水による溺死といった直接的に死亡する事例に対して、被災直後は生き延び得たのに、その後の飲食、排泄を含む生活環境の変化によって、持病が悪化したり、強いストレス障害によって、災害というきっかけが強く働いて死亡したりした事例を災害関連死と言います。災害の規模が大きいほど、直接的でなく間接的に亡くなる人の割合は増えつつあります。生き延び得たから安心という訳にはいきません。 |
★この日に起きた災害や事件、事故 都電とトラック衝突濃硫酸飛散事故(東京日本橋)1950年 1名死亡80名負傷 |
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