■備えあれば憂いなし-今日の話題 品質マネジメントシステム、環境マネジメントシステム次の改正は? みなさんの会社では、品質マネジメントシステムや環境マネジメントシステムに取り組んでいますか?時代の流れの中で、客先からの要求や、経営層による特命によって、取り組んでいる組織も多いと思います。品質マネジメントシステムは、きっかけは軍事調達品の国家間政府レベルの資機材標準化でしたが、スイスジュネーブに本拠を置くISOの中のTCのひとつとして、国を越えた円滑な貿易の推進を目的として、同じアプローチでアウトプットを作れば良品質とみなせるとした「品質システム規格」が1987年に発行されました。当初それは、イギリス規格BS5750でしたが、1994年にISO規格として全面的に再構築され、ISO9001,ISO9002,ISO9003の3部作規格として発行されました。その後、要求事項規格はISO9001に一本化され今日に至っています。途中「品質マネジメントシステム」と呼称を変え、2000年版、2008年版と改正され、現在の最新版は2015年版です。単に顧客満足に応えるだけでなく、内外の課題やニーズ・期待を考慮し、さらにリスクに取り組むといった事業継続色を包含した規格へと発展しています。環境マネジメントシステムは、品質システム規格1994年版が少しずつ認知され、認証を得る規格として広がり始める中、1996年に初版が発行されました。京都議定書が策定される前の年で、環境保全や公害に繋がる側面の削減が叫ばれていました。その後2006年版として改正され、現在は2015年版が最新となっています。本来、ISOTC基準では、5年ごとに改正の是非を審議し、必要と決定すれば改正に向けた議論が始まり、原案づくりから始まって、国際規格になるまで複数回のレビューが行われ、そして発行される段取りとなっています。これまでおよそ前版から8年前後で改正され新しい版の発行がなされてきていました。2020年は、品質、環境いずれの規格も、ちょうど改正是非の審議年でしたが、コロナ禍による世界パンデミックの中で、改正せず2015年版をそのまま維持する決定がなされました。次は、2025年が審議年となりますが、環境マネジメントシステムを担当するISO内TC207では、早々に改正の必要ありと決定して、2023年初頭から、改正に向けた動きが始まりました。品質は現在のところ、まだ改正の是非判断は行われていないようです。では、環境はもとより品質を含めて、次回改正のポイントとなる事項は何になるかということですが、現在、私が調べる限り、共通して次の3つがポイントとなりそうです。ひとつめは「SDGsへの対応」です。言うまでもなく、どの企業であれ、国連が定めた目標の達成に向けて、自分の企業がどの目標に対応するか選択し、推進させるというもので、マネジメントシステムとして避けて通れない要求事項になると思われます。ふたつめは「ESGの推進」です。事業経営においては、この3つもまた避けて通れない事項です。環境・社会・企業統治の要求事項は、どちらの規格にも盛り込まれることでしょう。「気候変動適応」は品質マネジメントシステムとしても重要な着眼点になるでしょう。みっつめは「レジリエンス」企業経営では、一層しなやかさや弾力が求められ、過去の枠組みや既成概念に捕らわれない事業をたくましく継続させる力が求められています。これらが規格要求事項として表されてくるものと思われます。 |
コラム:防災用語 「烈震」過去さまざまな階級表示やその呼び方がありますが、現在気象庁の指針によれば、烈震は、震度6弱及び審査6強を言います。立っていることが困難、または立っていることができず、はわないと動くことができない状況を言います。その上の震度7は「激震」と呼称されます。 |
★この日に起きた災害や事件、事故 大分交通別大線列車事故(昭和31年)死者31、負傷者38 |
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