■備えあれば憂いなし-今日の話題 労働安全衛生委員に必要な力量! 社内に労働安全衛生委員会を設置している企業は、多いのではないでしょうか。法令上の設置基準(衛生委員会は常時使用する従業員50人以上であれば全業種、安全委員会は常時使用する従業員が50人以上、100人以上それぞれ業種が決まっています。その両方に該当すれば両方となります)に従っていると思います。しかし、指名されて委員になっている方々の中には、委員は何をするのか、どのような力量が求められているか、よくわかっていないという場合が少なくありません。今日は、労働安全衛生委員に求められている必要な力量についてまとめてみたいと思います。安全委員には、①安全に関する規程の作成、②危険性や有害性の調査と安全に係る措置、③安全に関するPDCA運用、④安全教育の計画作成、等に関与することが求められています。衛生委員には、①衛生に関する規程の作成、②衛生に関するPDCA運用、③衛生教育の計画作成、④定期健康診断の結果に対する対策樹立、⑤長時間労働による健康障がい防止対策の樹立、⑥精神的健康の保持増進対策樹立、等に関与することが求められています。現実的には、過去の活動の中で大半は築かれ維持されていると思われますので、基本的には責任者からの招集や審議に協力し、自らの意見を述べる、そして自らの職場で事故や傷病が発生しないように努めることとなるでしょう。ただし、自己のその力量を向上させるには、自身の努力も必要です。具体的には、次に示す力をレベルアップさせたいものです。①リスクを嗅ぎ取る力:どこの危険が潜んでいるか、どこに体調を崩す要因があるか、感覚的につかめることが重要です。過去の災害事例をよく知ることや、自分事として職場を回ってみるといった積み重ねでしょう。②災害をイメージ(想像)する力:過去の災害のアーカイブが省庁のホームページ等で閲覧できます。その上で当社の場合どうなるかを考え続けましょう。③他社の労働災害の事例を得る力:厚生労働省のホームページには、「職場のあんぜんサイト」があり、さまざまな労働災害事例や教材・ツールが用意されています。職場のあんぜんサイト:労働災害統計 (mhlw.go.jp)、実例ですので生々しさが伝わってくると思います。④作業員とコミュニケーションとる力:対話力は何にしても重要なヒューマンスキルです。話してみてわかることは、とても多いと思います。⑤冷静に問題点を探る力:冷めた目で、俯瞰的に問題を見つめること、場合によっては第三者的に眺めてみることも必要です。⑥仲間を思いやる力:自分の行動や発言等に対して、相手はどう思い感じるか、相手のかゆいところを気にしてあげる、このような姿勢は、接客業に関わらず重要な資質です。これらの力量ではないかと思っています。委員会の責任者であれば、専門的な知見、法令把握、指導力などがさらに学んでほしいところですが、委員には、むしろ現場最前線で、働く人々を守り抜くパワーが何より重要であるように思います。 |
コラム:防災用語 「密集地防災促進法」正しくは「密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律」で「密集市街地整備法」とも略されます。老朽化した木造の建物が密集していて、それでいて十分な公共施設がなく、その区域の土地利用状況から、防災機能が十分確保できていない市街地に対して、新たな建築の制限や届け出、行為制限、整備促進等を定めた法律です。そのような市街地は、いったんいずれかで火災が発生すると一気に燃え広がる危険があり、道路幅が狭く容易に消火活動が行えないといった区域も多いと言われます。 |
★この日に起きた災害や事件、事故 世田谷電話ケーブル火災(昭和59年)約9万電話回線途絶 |
コメント