■備えあれば憂いなし-今日の話題 令和2年7月の熊本県球磨川豪雨災害を振り返る! 今から3年前、令和2年7月に襲った豪雨は、全国で84名の命が失われ、行方不明者2名、住宅全半壊9,628棟、住宅床上床下浸水6,971棟という惨事をもたらしました。その中でも特に顕著な被害が発生したのが、熊本県南部の球磨川流域の洪水によるもので、50名が亡くなっています。住居、住民の被災のみでなく、河川や鉄道、道路等が各所で決壊または寸断され、土砂崩れ、漂流物による港湾被害に至り、未だに十分な復旧、復興に至っていないのが現状です。台風によるものではなく、梅雨前線の長期停滞によるものでした。たかが梅雨前線、されど梅雨前線です。次々と発生する雨雲は、線上に連なり、線上降水帯と名付けられた集中豪雨では、もつとも被害が大きくなった災害でした。風化させないためにと国土交通省九州地方整備局が作成したページ「球磨川水害伝承記」は、その時の状況から、復旧状況まで詳細に振り返ることができます。令和2年7月豪雨球磨川水害伝承記~後代に残す記録~ (kumariver-r0207archive.jp)、私は、この災害発生から1年半経たところの昨年1月に、熊本県人吉市を訪ねました。人吉市は宮崎県えびの市、鹿児島県伊佐市と隣接する熊本県内では最南部に位置しています。熊本空港より鹿児島空港の方が便利であり、鹿児島空港からは車でわずか50分足らずのところにあります。人口は昭和50年代に4万2千人を数えていましたが、徐々に減少し、現在は3万人強となっています。普段は風光明媚な土地柄で、温泉も豊富であり、人吉温泉では源泉が約50ともいわれています。多くのホテルや旅館が川沿いに並び、多くの温泉客で賑わうところです。その場所が一瞬にして洪水に巻き込まれ、民家はもとより、川沿いのホテルや旅館、病院等は1階天井まで浸水、電気室や温泉が壊滅状態となった施設が多く、復旧に相当の時間を費やしています。河川の氾濫によるだけではなく、排水の限界を超えたことによる内水氾濫も発生したと聞きます。人吉温泉の川沿いを歩いてみましたが、各所、民家があったであろうところが取り片づけられていて、歯が欠けたようなブロックが多く見られました。中心部にある「鍋屋(旧鍋屋本館)」の富田正彦社長は、「旅館が2階近くまで水に浸かり、電気室や温泉がやられると、事業を再開し宿泊客を通常に受け入れられるようになるまで途方もない月日が必要」と話してくれました。NHK熊本放送局が作成した「熊本豪雨から学んだ命を守る10の教訓」は、昨今、頻繁かつ甚大化している豪雨災害に、どう向き合えばよいか教えてくれています。ご参考までに。【豪雨】熊本豪雨から学んだ命を守る10の教訓【防災】 | NHK |
コラム:防災用語 「融雪洪水」冬季に降り続いた雪は、しばらくは固形状の雪として残り、やがて気温が上昇してくると溶け始め、山肌や河川を通じて流れ出します。その時に、急激な温度上昇等によって、大量の雪が溶けだして水量が増え、河川から越水して溢れ出て洪水を引き起こす現象をこのように言います。豪雪地帯では、急激な気温上昇がなくても発生し得ることがあります。 |
★この日に起きた災害や事件、事故 青森五所川原火災(昭和21年)負傷者9 |
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